機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)の採点基準について解説します。
FIMは日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)を採点する評価法であり、病院や介護施設などで幅広く用いられています。
特に看護師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの医療従事者はFIMを採点する機会が多いので、採点基準をしっかりと覚えておきましょう。
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評価表のダウンロード
FIMの評価用紙はこちら↓からダウンロードし、印刷することができます。
FIMの特徴
FIMは日常生活の実用性を評価しており、「しているADL」を評価しています。
ADLには「しているADL」と「できるADL」がありますが、しているADLとはその人の日常の動作能力のことをいいます。できるADLとはその人が最大限頑張ってできる動作能力のことをいいます。
FIMは、運動項目(13項目)と認知項目(5項目)に分かれ、合計18項目を評価します。
評価は、自立(7点)~全介助(1点)の7段階で採点します。
すべての項目で自立(7点)の場合は126点となり、すべて全介助(1点)の場合は18点ということになります。
運動項目(13項目)とは
※詳しい判定方法は、各項目をクリックすると見ることができます。
セルフケア:6項目
排泄管理:2項目
移乗:3項
移動:2項目
運動項目の採点基準
点 | 介助量 | ||
介助者なし | 7 | 完全自立 | 0% |
6 | 修正自立 | 0% | |
介助者必要 | 5 | 監視・準備 | 0% |
4 | 最小介助 | <25% | |
3 | 中等度介助 | <50% | |
2 | 最大介助 | <75% | |
1 | 全介助 | ≧75% |
運動項目のポイント
運動項目は、道具を使用しているか、時間を要しているのかで7点と6点が分かれます。
4~1点はパーセント表示で採点したり、または各項目で決まった点数の付け方があるので、覚えておく必要があります。
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認知項目(5項目)とは
※詳しい判定方法は、各項目をクリックすると見ることができます。
コミュニケーション:2項目
社会的認知:3項目
認知項目の採点基準(※点数の付け方に注意)
認知項目で注意することは、、10%未満の介助も監視・準備(5点)になるというところです。
点 | 介助量 | ||
介助者なし | 7 | 完全自立 | 0% |
6 | 修正自立 | 0% | |
介助者必要 | 5 | 監視・準備 | 0% |
<10% | |||
4 | 最小介助 | <25% | |
3 | 中等度介助 | <50% | |
2 | 最大介助 | <75% | |
1 | 全介助 | ≧75% |
認知項目のポイント
認知項目は、7~1点まですべてパーセント表示で採点します。
例えば、理解の項目で10回のうち4回は理解できなかった(6回は理解できた)。
この場合の介助量は40%となるので3点となります。
日内変動、環境変化で点数に違いがある場合はどうする?
例えば、パーキンソン病や認知症、うつ病などがある場合はADL動作能力に日内変動がみられる場合があります。
また、日中と夜間でも動作能力や介助の有無に違いがある場合は多いです。
他には、車椅子とベッド間の移乗で、ベッドへ移るには最小介助だが、車椅子に移る際は中等度介助を要する。また、階段昇降で、昇りは監視だが、降りるのは最小介助が必要。
そのような場合は・・・低い方の点数で採点します。