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理学療法

感覚障害について!理学療法士・作業療法士が押さえておきたい基礎知識を解説

投稿日:2016年7月21日 更新日:

教科書などでは、感覚障害について詳しく書かれていますが、逆にポイントを押さえづらいと個人的に感じています。

そこで、感覚障害について、リハビリで押さえておきたい基礎知識を整理してみました。

特に感覚障害の中でも、動作への影響が大きい体性感覚について解説していきます。

体性感覚は、視覚や前庭感覚とともにバランス能力に深く関わる重要な感覚といえます。

教科書を読んでも、理解しづらい人は当ブログを参考にしてください。

 

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感覚とは(用語の整理)

感覚とは、末梢の受容器が捉えた情報のことを指します。

知覚とは、感覚情報の統合ならびに解釈を指します。

感覚情報を知覚することで、意味のあるものになるともいえます。

感覚には、大きく分けて体性感覚、特殊感覚、内臓感覚があります。

ちなみに、固有感覚という言葉がありますが、体性感覚の中に含まれる用語で意識にのぼらない「無意識」の運動覚のことを指します。

体性感覚 表在感覚 触覚
痛覚
温度覚
深部感覚 運動覚
位置覚
振動覚
圧覚
複合感覚 二点識別覚
立体覚
局在覚
皮膚習字認知能
重量覚
特殊感覚 視覚
聴覚
嗅覚
味覚
平衡感覚
内臓感覚 臓器感覚(膨満感、尿便意)
内臓痛

体性感覚の受容器

この辺はさらっといきましょう。

特に触覚と圧覚、痛み関係は受容器が類似しているので覚えておくと良いでしょう。

体性感覚 種類 種類 受容器
皮膚感覚 触圧覚 パチニ小体、ルフィニ小体、マイスナー終末、メルケル盤
温痛覚 自由神経終末
深部感覚 関節の位置・運動 関節受容器(ルフィニ終末、ゴルジ終末、パチニ小体)
筋の伸張 筋紡錘
筋の張力 ゴルジ腱受容器
深部痛 自由神経終末

末梢神経の分類

求心性は感覚神経、遠心性は運動神経を意味しています。

ここで押さえておきたいことは、伝導速度です。特に有髄・無髄神経ではかなり伝導速度に差があります。

例えば、脱髄疾患では跳躍伝導ができなくなるため、有髄神経の伝導速度が遅くなってしまいます。

跳躍伝導とは、軸索上にある鞘興間を電気信号が跳躍して伝導しているように見えることをいう。

形態分類 有髄・無髄線維 求心性 遠心性 伝導速度(M/S)
A α 有髄 固有知覚 運動神経(錘外筋線維) 70~120
β 触覚・圧覚 30~70
γ   運動神経(錘内筋線維) 15~30
δ 痛覚・温度覚 12~30
B   交感神経節前線維 3~5
C 無髄 痛覚・温度覚 交感神経節前線維 0.5~2.3

意識にのぼる(意識性)感覚路

リハビリでよく行う感覚検査は、この意識にのぼる感覚を評価していることになります。

引用)http://www.geocities.jp/ululu_o_ululu/report-07-01.htm

外側脊髄視床路(新脊髄視床路)

温痛覚に関与する意識性の感覚です。

経路:受容器→脊髄後根→脊髄を交差→反対側の側索を上行→視床→大脳感覚野

前脊髄視床路(旧脊髄視床路)

粗大な触圧覚に関与する意識性の感覚です。

中でも、痒みやくすぐったい感、性感などに関与しています。

経路:受容器→脊髄後根→脊髄を交差→反対側の側索を上行→視床→大脳感覚野

ポイントは、上記2つの感覚路は脊髄に入ったらすぐに交差すること、脊髄の側索を通るということです

後外側路(後索路)

細かな触圧覚、振動覚に関与する意識性の感覚です。

経路:受容器→脊髄後根→同側の後索を上行延髄で交差→内側毛帯を形成し視床→大脳感覚野

ポイントは、脊髄後根に入ったら一旦同側を上行するということです。

意識にのぼらない(無意識性)感覚路

リハビリでは、意識にのぼらない感覚を数値化するのは難しく、観察から評価することが多いです。

最終的に小脳に神経がいきますので、小脳の障害で侵されやすいといえます。

後脊髄小脳路

下肢(第1胸髄~第1腰髄)の非意識性の深部感覚に関与しています。

経路:脊髄後角基部→同側の側索を上行→下小脳脚を通って小脳へ投射

前脊髄小脳路

下肢(第1腰髄以遠)の非意識性の深部感覚に関与しています。

経路:脊髄後角基部→脊髄で交差→反対側の側索を上行→上小脳脚を通って小脳へ投射

多くの線維は再び交差して小脳へ到ります。

副楔状束核小脳路

上肢の無意識性の感覚に関与しています。

経路:脊髄後索の楔状束を上行→延髄→下小脳脚を通って同側の小脳へ投射

小脳は、神経の経路からして同側神経支配になります。

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脊髄レベルで線維の配列

後索では、内側から仙髄、腰髄、胸髄、頸髄の順で線維が並んでいます。

後索の内側を薄束、外側を楔状束といいます。

つまり、下肢は薄束を、上肢は楔状束を通ることになります。

側索では、外側から仙髄、腰髄、胸髄、頸髄の順で線維が並んでいます。

まとめ

体性感覚の障害は、特に臨床でもよくみられる症状の一つです。

ちょっと難しいと感じるかもしれませんが、ここを押さえておくと評価・治療に繋げやすくなります。

教科書を読んでも理解しづらい人は、是非参考にしてください。

 

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