理学療法

パーキンソン症候群を呈した患者さん。動きの悪さの原因は薬の副作用だった

投稿日:2016年5月4日 更新日:

僕は社会人になってからずっと回復期リハビリテーション病院に勤務しています。

今回は数年前の担当患者さんの話をお伝えしようと思います。

 

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僕の体験

その患者さんは、入院当初から体がカチコチで動きが非常に悪かったのです。

表情の変化が乏しく、動くときにはロボットのようでした。医療関係の人に対してわかりやすくいえば、パーキンソン病のような症状がでていました。

参考記事)


 

パーキンソン病なんてどこにも診断名がないし、病前の話を聞いてもパーキンソン病っぽくないんですよね。

何かがおかしい

入院してしばらくリハビリをしていましたが、いっこうに良くなる気配がありません。

リハビリの方法が悪いのか?

本人のやる気がないのか?

なんだろう?とはじめは思っていました。

最終的に可能性として考えられたのが、薬の副作用です。

 

理学療法士は、特に薬を扱わないので「何を飲んでるのかなぁ~」くらいはみていますが、一つひとつじっくり効果や副作用まで確認することは稀です。

ただ、回復期リハビリテーション病院は、担当の患者数が少ないのでじっくり確認する時間的余裕はあります。

調べてみると、10種類以上飲んでいたんですね。一つひとつの効果と副作用を調べてみました。

これは本来、医師、看護師、薬剤師がするべきじゃないのか?と思いますが、まだ僕の仮説段階だったので、とにかく半信半疑で調べてみました。

すると、ひとつ引っかかる薬を発見!

ここでは薬の名前はいいませんが、胃薬のために飲んでいた薬の副作用に「抗ドーパミン作用」とありました。また、禁忌は「パーキンソン病」となっています。

パーキンソン病は、原因不明の疾患ですが神経伝達物質であるドーパミンの生産が減少してしまう病気です。

百歩譲って、この薬のせいでパーキンソン病みたいになっているのではないにしろ、パーキンソン病みたいな患者さんにこの薬はダメじゃないのか?と思い、すぐに医師に患者さんの現状と薬の副作用との因果関係を相談しました。

実はその薬は、前の病院から服用していて引き継いで当院でも服用していたわけですね。

その医師は、すぐに飲んでいる薬の見直しをしてくれました。

遂に効果が現れた

副作用が疑われる薬を止めてもすぐには効果が現れませんでした。

見当違いだったかな?

と思っていたら、薬を止めて1週間ほどで動きが良くなってきました。

はじめは、最近調子いい日が多いなぁってくらい微妙な変化でした。

 

いやっ!違う!

一番如実に効果を目の当たりにしたのが、患者さんの表情です。

今まで一回も笑ったのを見たことがなかったのですが、なんと笑顔を見せるようになったのです。

その時患者さんはこう言っていました。

「あのときは、鬱みたいで怖かった。何でかわからないけど、落ち込んでた。」

そこからリハビリの効果が徐々にでてきて、その患者さんは病前の生活を取り戻すことができました。その頃にはパーキンソン病っぽさはどこにもありませんでした。

しかも、よく笑うお上品な人だったんですね。

リハビリの方法が悪かったのでも、患者さんのやる気がなかったわけでもなかったのです。

薬の副作用だったのです。

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感じたこと

この症例は、薬の副作用を肌で感じた数少ない症例でした。

もし薬の副作用を調べなかったら。医師に薬を見直してもらうように言いに行かなかったら。リハビリの方法が悪い、患者さんのやる気がないなどと思って違う手段を探さなかったら。

今頃どうなっていたのでしょうか?

リハビリの効果がないと思ったら、変わる勇気と行動を起こす勇気が必要なんだと思います。

まとめ

薬には副作用があります。もし、薬を飲んでいるのであればどんな副作用があるかご存知でしょうか?

薬を飲みだしてから、何か調子が悪くなったことはないでしょうか?

薬はもちろん何かしらの効果を期待した治療方法ですが、絶対に効果を保障するものではありません。

効果がないし、副作用はでているとなれば有害でしかありません。

むやみに薬を止めるのはとても危険ですので、そこは信頼できる医師としっかりコミュニケーションをとっていきましょう。

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