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理学療法

リハビリの目標(ゴール)はただの通過点。その先にどんな生活が待っているかをイメージしておくことが大事!

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療法士は患者さんのリハビリをしていくにあたって、必ず目標(ゴール)設定を立案すると思います。

目標は具体的であればあるほど、目標が達成したのかを検証しやすくなります。

例えば、T字杖歩行自立(30分間連続で歩ける)と目標設定をすると、目標が達成したのかがすぐにわかりますよね。

T字杖で歩く際にすぐに転倒しそうになったり、5分しか歩けなかったら目標が達成できていないわけです。

ただ実習生や後輩と話していると、結構置き去りにされているなぁと思うことがあるのでそのことを書いてみます。

Twitterでもつぶやいたし、タイトルにも言いたいことは集約されてはいますが、もう少し具体的に書いてみようと思います。

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目標(ゴール)はあくまでも通過点にすぎない

リハビリでは、まず患者さんの状態を把握するための評価をしますよね。

現状を把握するための評価。いわゆる初期評価のことですね。

検査・測定、その他の情報収集から何が足りなくて、何が足りているのか、問題を洗い出します。

例えば、筋力が低下しているとか関節可動域制限があるなどの問題点がでてきます。

その後、どのくらい動けるようになるのかを予後予測していきますよね。ここで目標を設定していくかと思います。

 

入院している患者さんのリハビリをしている療法士の頭の中では、

「この患者さんは筋力低下があるけど、2週間くらい筋トレすれば足の力がついてくるんじゃないかな。なので2週間後には病棟内を歩行車で自立して歩けるだろう。それと、1ヵ月後リハビリをすればT字杖を使って一人で歩けるようになるんじゃないかな。30分くらいは屋外で歩けると思う。」

と考えています。

もちろん、目標設定をするときにはそれなりの根拠は必要ですが・・・

 

目標設定を整理すると、こんな感じ↓になります。

短期目標(2週間) 病棟内歩行車自立
長期目標(1ヵ月) 屋外T字杖歩行自立(30分連続歩行)

 

ここまでは良いのですが、実習生や若手療法士はここで思考が停止してしまうことがあるんですよね。

 

せっかく目標を具体的に立てたのに、たいてい先輩からこのような突っ込みが飛んできます。

 

先輩

「病棟内を歩行車で歩けてどんな生活になるの?」

「屋外をT字杖で30分歩けて何ができるようになるの?」

 

実習生or若手療法士

「・・・」

 

本当に大事なことは、目標が達成すればどんな生活になるのかをイメージすることなんです。

 

図にすると、こんな感じ↓です。

 

先ほど歩行の目標設定をしましたが、なにも歩行だけが目標じゃないです。今ある現状と達成しそうな目標をいくつか考えます。

トイレ動作だってできないといけないし、必要なら床から立ち上がることも目標になり得ます。

目標は複数あってもいいし、もう一度現状に立ち返って目標が妥当なのかを振り返り効果を検証していくこともしていきます。

ただ、目標を振り返るばかりでなく、「どんな生活になるの?」ってところが本当は大事なんです。ここを常にイメージしながらそれぞれの目標を設定していかないといけません。

目標を立てることが目標になっていないか?

目標設定って難しいですからね。

僕も学生時代は「根拠は?根拠は?」って散々言われてきてますので、目標を立てるだけでも頭を抱えてしまいます。

だからか、目標を立てることが目標になりやすいのかなと。

やっとの思いで以下の目標を立てて終わりみたいな・・・

短期目標(2週間) 病棟内歩行車自立
長期目標(1ヵ月) 屋外T字杖歩行自立(30分連続歩行)

 

予後予測するときって、細かいところの視点から入るので、実習生や若手療法士などは身体機能ばかりに目を向けすぎる傾向にあります。

だから「このくらいの身体機能があればこれくらい歩けるようになるだろう」で思考が止まってしまうのではないでしょうか。

どんな生活になるのかをイメージするためには?

目標を立てるのと同時に、生活に戻るためには何が必要なのか、患者さんは何ができるようになりたいのかを聴取していきます。

そして、それは実現可能なのか、無理なのかを専門家の視点で考察していきます。

 

先ほどから出しているこの目標設定の先に何があるでしょうか?

短期目標(2週間) 病棟内歩行車自立
長期目標(1ヵ月) 屋外T字杖歩行自立(30分連続歩行)

 

「歩いてどこに行くの?」

「買い物に行くの?」

「老人会に参加するの?」などなど・・・

ここをもっとイメージしておかないといけません。

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まとめ

病院に勤務していると目標設定ってよくするのですが、自宅に退院することが目標になることはよくあります。

目標は通過点という意識がなければ、その患者さんは自宅退院して目標を見失うと途端に動かなくなります。

退院することが目標になり、その後の生活がイメージできていないからです。

目標は終着点ではなくて通過点です。

生活を維持・向上するために目標があるのであって、その先にどんな生活が待っているのかを常にイメージしておくようにしましょう。

 

リハビリのゴール設定の考え方)

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