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理学療法

立ち上がり介助のコツ‐力学的視点と下肢伸展反応の応用‐

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「立ち上がり動作」は、立位や歩行を始める前段階として、さらに車椅子への移乗やADL(日常生活動作)の介助量を決定する重要な動作でもあり、援助者も関わる頻度の高い動作です。

 

昨今は高齢化に伴い要介護者は増え、「介助量軽減」を担う理学療法士の役割は益々大きくなるでしょう。

 

近い将来はロボットなどの有能な機械の導入が期待されるが、我が国においては未だ現実的ではなく、援助者の徒手によって立ち上がり動作を行うことが多い。

臨床を見ていても「立ち上がり動作の技術」には個人差があり、上手くできないと患者の転倒リスクを高めたり、過度な介助によって援助者の腰痛を誘発するリスクにも繋がりかねないと考えています。

 

この記事では、立ち上がりの介助のコツを力学的視点と神経反射を応用したテクニックをご紹介します。

 

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立ちあがり動作を大きく3相に分けて考える

立ち上がりには、以下の3つの相で分けて考えます。

  • 第1相(屈曲相):骨盤や体幹の前傾
  • 第2相(臀部離床相):座面から臀部が離床
  • 第3相(伸展相):下肢・体幹が伸展する
第1相

 

第2相

第3相

 

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最も介助量が多いのが「臀部離床相」

この一連の動作で最も介助量が多いのが、臀部離床相です。

ここで下手をすると患者を引き上げることになり、援助者や患者双方にとっても辛い動作となってしまいます。

 

まず第1相において体幹・骨盤の前傾を確認しましょう。

この時、患者が後方へのけ反る場合には介助者との密着させたり、「今からお辞儀します」と声をかけて安心感を与え、患者にも動作の準備をしてもらいます。

 

次に確認するのが、足部の固定性と下肢の伸展反応です。

第1相は、骨盤・体幹の前傾により座面にある荷重が足部へ移動する準備段階です。

第1相

 

荷重が足部へ移動した際に伸展反応が出るかを確認します。

脳卒中片麻痺など何らかの要因がある際には、陰性支持反応によって下肢の支持が困難となります。その場合には、臀部離床の際の介助量は多くなると予測できます。

 

神経機構が破綻していなければ、通常は足部に荷重が加われば下肢の伸展反応がみられるため、この反応を利用して立ち上がり動作を遂行します。

第2相

次に第2相では、体幹・骨盤の前傾に伴い、頭部が前下方へ移動します。

この動きによって膝関節を中心に頭部と臀部のカウンターウエイトが生じ、下肢伸展反応に伴い臀部が自然と浮きます(下図)。

頭部と体幹の重みで殿部が浮き上がる。(カウンターウエイト)

これらの力学的モーメントと下肢伸展機構によって、容易に臀部は離床します。

 

第3相では抗重力伸展活動が重要になりますが、もし筋力低下を起こしている場合には、体幹・下肢伸展を援助者によってアシストすると良いでしょう。

第3相

まとめ

力学的視点と下肢伸展反応から立ち上がり動作の介助のコツを解説しました。

ADL場面では、介助量が多い臀部離床相で失敗していることをよく見かけます。

この記事で解説したたポイントを抑えておくこで援助者の負担軽減、患者の能力向上による日常生活活動のへと汎化されることが期待されます。

 

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