4月から新人さんが入職してきて、新しい風を感じている今日この頃です。
僕はここ何年かは新人さんの教育を担当することが多かったので、以前こんな↓記事を書いてます。
実習生との関わりについての内容なのですが、相手のことを知るにはコミュニケーションが大切だと書いた記事です。
それは、新人さん相手でも言えますし、患者さんでも同じことが言えます。
コミュニケーションは、僕が臨床において最も重要視しているスキルといってもいいくらいです。
(まぁ腕がないだけなんですけどね・・・)
特に初対面、つまり初期評価こそコミュニケーションは重要になってきます。
その後のリハビリにも響くくらい重要だと、僕は経験上そのように感じています。
スポンサーリンク
初期評価で最初から身体を評価するべきでない理由
理学療法士は専門職であり、技術職でもあります。
身体を良くしていく仕事に変わりはないのですが、最初から通例の身体評価は行うべきではありません。
仮にですよ。
あなたが歯医者に行った際に、いきなり口の中を診られたらどう思いますか?
ちょっと不快に思いませんか?
美容院に行って、椅子に腰かけてから早速カットが始まる・・・なんてこともありませんよね。
まずは「どうされましたか?」「どうしていきましょうか?」と必ず問診から入るはずです。
ここをすっ飛ばして、身体を触りにかかるから信頼関係が築けず、リハビリ拒否、または嫌われるなんてことにもなるのです。
入院してきた患者さんはそれぞれでいろんな感情を持っています。
療法士は問診から、患者さんが求めているものは何かをしっかり見つけていくことが最優先されます。
怪我や病気をした経過を詳しく教えてくれる患者さんもいれば、そのときどれだけ辛かったかを涙ながらに話してくれる人もいます。
また、障害を抱えてしまった自分にショックを受けて、今後どうしていけば良いのか不安になっている人もいます。
患者さんの立場になって考えてみると、そのような気持ちを受け止めてくれる療法士に心を開き、信頼感を抱くのではないでしょうか。
新人療法士でも患者さんとの信頼関係を築くことは可能
新人療法士の人は、先輩達に比べて知識や技術は確かに劣っていることが多いでしょう。
何より経験値が全然違いますので、その差は埋めようがありません。
ただし、知識や技術、経験値がないと患者さんのリハビリができないわけではないです。
触り方や動かし方などいろいろ意識することはあると思いますが、そこに意識を向けすぎて患者さんに不快な思いをさせてしまった新人療法士を僕は何度か見たことがあります。
その新人療法士は、「知識や技術がないからリハビリを拒否されたんだ」と嘆いていましたが、絶対そうではないですよ。
これは言い切ってもいいくらいです。
新人さんでも患者さんとの信頼関係を上手く築ける人はたくさんいます。
患者さんの話を親身になって聴いてあげられる療法士は、患者さんに絶対的な安心感を与えることができます。
初対面で判断できるのは、知識や技術ではなく、相手の人間性である
以前、接遇に関する記事を書きました。
その中で、医療サービスと患者サービスというものを紹介しました。
医療サービスとは医療従事者が行う治療行為のこと。患者サービスとは相手への気遣い、つまり接遇のことです。
患者さんが判断しやすいのは、実は患者サービスのほうなんです。
「あの治療は優れている」というのは患者さん主体で判断することは難しいです。(ほとんど口コミです)
そういったことよりも「あの先生は親身になって話を聴いてくれる。優しい人」といった印象のほうが覚えやすいのです。
患者さんが初対面で判断できるのは、相手の人間性です。
だからこそ接遇は重要ですよ。と言われているのです。
スポンサーリンク
まとめ
初期評価で身体をほとんど触らず話しているだけでも、その後のリハビリがかなり良い方向に進むことを僕は何度も経験しています。
確かに、初期評価では関節の角度を測定したり、筋力を確認したりってやりたくなります。
しかし、患者さんが何かを伝えたい、訴えたい気持ちがあることを察知したのであれば、身体評価は次の日にしてもいいくらいだと僕は思っています。
でも、動作能力はちゃんと確認しておかないといけません。病棟での自立度を決めるのは療法士ですからね。
まずは、初期評価で意識するべきことは、患者さんの話をしっかり聴くことです。
あなたのするリハビリに納得してくれる率が高まりますし、リハビリ拒否も嫌われることもなくなります。
もし、全然検査ができなかったとしても、後々それを払拭できるくらいの効果がありますので、是非ここをしっかり意識して初期評価を行いましょう。
【理学・作業療法士は必見!】