機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)の移動「歩行・車椅子」の項目について詳しく解説します。
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移動「歩行・車椅子」の定義
歩行、または平地での車椅子の移動を評価します。
※注意
退院時に歩行している場合には、入院時も歩行の点数で採点します。
もし、退院時の移動様式が予想できない場合は、入院時に歩行と車椅子の両方を採点し、退院時に決定すると良いです。
移動「歩行・車椅子」の採点方法
点 | 介助量 | ||
介助者なし | 7 | 完全自立 | 0% |
6 | 修正自立 | 0% | |
介助者必要 | 5 | 監視・準備 | 0% |
4 | 最小介助 | <25% | |
3 | 中等度介助 | <50% | |
2 | 最大介助 | <75% | |
1 | 全介助 | ≧75% |
50m・15m移動しているかがポイント
なぜ50m?
50mは1街区であり、社会生活をする上で歩行する最低限の基準となっているためです。
なぜ15m?
家に帰って室内で暮らせるであろう距離だからです。
50m移動している場合の採点方法
歩行補助具などの道具を使用せず、50m以上歩行していれば7点となります。
時間がかかる、補装具、杖、車椅子などの道具を使用し50m以上歩行または車椅子で移動していれば6点となります。
監視または準備は5点。
3/4以上患者が行っていれば4点。
3/4以上患者が行っていなければ3点。
50m移動していない場合
50m移動していなくても、15m歩行または車椅子が自立していれば5点となります。
1/4以上患者が行っていれば2点。
1/4以上患者が行っていなければ1点。
移動「歩行・車椅子」の監視(5点)とは
50mの移動を監視している場合
15mの移動を自立している場合
移動「歩行・車椅子」の介助(4~1点)
歩行している場合
●50m以上歩行している場合
触れる程度介助 → 4点
しっかり支え、足を振り出すなどの介助 → 3点
●50m歩行していない場合
介助で50m未満、15m以上歩行している → 2点
15m未満の歩行、または2人介助 → 1点
車椅子を使用している場合
●50m以上車椅子で移動している場合
方向転換の微調整や敷居を乗り越えるのに介助 → 4点
直進のみ自己にて可能で曲がる度に介助 → 3点
●50m車椅子で移動していない場合
50m未満、15m以上の車椅子駆動に監視、または方向転換などの介助 → 2点
15m未満しか車椅子駆動ができない、または全くしていない → 1点