理学療法 転倒予防

姿勢制御系から考える転倒しない身体とは?効果的なリハビリ方法は?

投稿日:2016年6月8日 更新日:

今回は、転倒しないための姿勢制御系について詳しく解説していきます。

姿勢制御系を理解していれば、リハビリの方法もいろいろ考えることができると思いますので、是非参加にしてみてください。

 

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筋力はあればあるほど転倒しないのか?

転倒する原因の上位に挙げられるのは筋力低下です。

それなら、筋肉を隆々に鍛えれば転倒しないのかというと、そうではありません。

特に高齢者になると筋肉隆々になるのはかなり難しいことです。

転倒しないためには筋力以外の要素も重要なのです。

姿勢が崩れた(転倒しそうになった)際に、姿勢を調整する姿勢制御系が重要になります。

脳と身体の関係性

元来、脳は身体を動かしていると仮定されていましたが、脳と身体を分けて考えることには無理があります。

脳から身体への情報伝達は一方通行ではなく、相互に伝達し合うことで姿勢制御系がうまく機能します。

脳と身体を繋ぐ情報伝達の経路として、これから説明する内側運動制御系外側運動制御系があります。

内側運動制御系

主に網様体脊髄路、前皮質脊髄路、視蓋脊髄路、前庭脊髄路の経路をいいます。

簡単にいうと、これらの経路は末梢からの感覚情報から運動を自動的に発火させます。

経路 感覚情報 働き
網様体脊髄路 あらゆる感覚(固有感覚などその他) 両側の体幹及び四肢近位の固定
前皮質脊髄路 固有感覚 同側の体幹及び四肢近位の安定に関与
視蓋脊髄路 眼球 反対の頭頸部の安定に関与
前庭脊髄路 眼球・前庭・固有感覚 同側の下肢伸筋を促通

外側運動制御系

主に外側皮質脊髄路と赤核脊髄路の経路をいいます。

経路 感覚情報 働き
外側皮質脊髄路 固有感覚あらゆる感覚(固有感覚などその他) 反対の上下肢遠位の制御
赤核脊髄路 運動野・運動前野 反対の屈筋を促通

内側運動制御系と外側運動制御系の相互関係

内側運動制御系は無意識に起こる運動であり、姿勢制御に関与しています。

末梢からの感覚情報が脳に伝達されて運動を起こします。

いわゆる体幹のコア(芯)や四肢近位の活動を基盤に遂行されています。

一方、外側運動制御系は意識的に起こる運動で、随意運動や精密運動を司ります。

これらはお互いに相反関係にあり、外側運動制御系を強めると内側運動制御系は減弱します。

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臨床でよくみられる歩行

内側運動制御系と外側運動制御系の相互関係を踏まえて患者さんの歩行を観察していると、両手・足をガチガチに固めて歩いている人をよく見かけます。

これは、外側運動制御系を強めて歩行しており、内側運動制御系は働きにくくなる歩行です。

これでは、体幹のコア(芯)や四肢近位の活動は減弱してしまいますので、姿勢制御が難しく転倒しやすくなります。

内側運動制御系を働きやすくするには?効果的なリハビリ方法

内側運動制御系による体幹のコア(芯)や四肢近位の活動を高めるには、外側運動制御系を抑制する必要があるのは上の説明で理解できると思います。

まずは、立ったり、歩いたりする際にはできるたけ手足の力を抜くことが必要になります。

ただ、「力を抜いてください」と言ってもなかなか難しいものです。

 

効果的なリハビリ方法

その場合は、立ったままキャッチボールをしたり、または輪入れをするなどして手足の拘束を自由にしてあげることで外側運動制御系が抑制されます。

立つのが不安定な人は、座ったままでも大丈夫です。

※注意:バランス練習では、転倒しないように十分な配慮が必要です。

 

また、恐怖心から身体を固めている場合には、援助者は患者さんが安心する見守り位置につくことが必要です。

まずは姿勢を保持するだけの筋力は必要

筋肉を隆々にする必要はないと説明しましたが、姿勢を保持する最低限の筋力は必要です。

まともに立てない人に手足の力を抜いてくださいというのは無理な話です。

まとめ

姿勢制御を考える上で、内側運動制御系と外側運動制御系を中心に説明してきました。

転倒予防には、ただ筋力をつければいいというわけでも、歩いていればいいというわけでもありません。

転倒しないためには、イレギュラーな動きに対応するためのバランス能力、つまり姿勢制御が必要不可欠です。

是非一度身体の使い方を見直してみてはどうでしょうか。

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