環境の変化はバランス能力に大きく影響しており、環境の変化は転倒リスクにもつながります。
実は、生まれ育った環境によってもバランス能力に違いがあります。
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札幌と東京で重心動揺に違いがある
育った環境により、重心動揺に違いがあるという報告があるのでご紹介します。
札幌は79名、平均年齢73.2歳、東京は47名、平均年齢73.6歳の高齢者が参加しました。
札幌と東京で重心動揺を比較
結果は、東京の人のほうが重心動揺が顕著に大きかったのです。(平均0.5mm)
つまり、札幌の人のほうが姿勢動揺は小さいということです。
札幌と東京で2点識別感覚を比較
2点識別感覚とは、コンパスやノギスなどで皮膚の2か所を同時に刺激し、2点と感じられる最小距離を調べる検査のことです。
足の母趾と踵で2点識別感覚を調べています。
結果は、東京の人に比べて、札幌の人の方が2点の識別距離が小さかったのです。(平均5mm)
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生まれ育った環境の違い
この2つの結果から、足底の感覚が敏感な人ほど重心動揺が小さいということがいえます。
札幌は雪の上を歩くことが多く、路面は滑りやすい状況になります。足底で瞬時に環境の変化を捉え、転倒を回避する必要があります。
ですので、自然とバランスを保持するような経験や学習が成されたと考えられます。
高齢のなるとバランス能力の低下から転倒する危険が高くなります。
札幌のような環境が感覚機能を維持し、バランス能力を低下させない要因なのかもしれません。
家の中はできれば裸足のほうが良い
上のデータからもいえることですが、バランス能力と足底の感覚は密接に関係しています。
最近の家は、床がフローリングが増えてます。冬になると床がものすごく冷たいですよね。
そんなときは靴下を履きますよね。
そもそも靴下の生地で滑ってしまう危険があるので、最近は五本指の靴下や滑り止めの付いた靴下が販売されています。
ですが、足底の感覚を衰えさせないためには、裸足のほうが良いのです。
まとめ
足底の感覚とバランス能力は密接に関係しており、転倒にもつながりがあります。
今回ご紹介した報告からもいえますが、いろんな環境に柔軟に対応できる足底の感覚が重要なようです。
冷たい床の上で裸足になれ!とは言いませんが、足底の感覚を鍛えるという意味では、裸足のほうが良いでしょう。
バランス能力についてはこちら↓で詳しく解説しています。