皆さん、ノルディックウォーキングって知ってますか?
もしくは、下の写真のような道具を使って街を歩いている人を見かけたことはありませんか?
ノルディックウォーキングは、2本のポール(写真の道具)を使用して歩行することで様々な運動効果が期待されます。
今回は、これからノルディックウォーキング始める人に歩き方や運動効果を解説しようと思います。
道具さえあれば、誰でも簡単に始められるものですので、ご興味のある方は参考にしてください。
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ノルディックウォーキングとは
1930年頃、フィンランドのスキーチームが1年中トレーニングができるようにと、オフシーズンである夏場に2本のポールを持って歩くトレーニングをしたことが始まりといわれています。
ノルディックとは、「北欧の」という意味があります。
元々北欧で人気のスポーツでしたが、最近では日本でも愛好者は増え、街でポールを使用して歩く姿を見かけることが増えてきました。
世界的にみても、ここ数年で愛好者数は急激に増え、その数は世界で800万人(2007年)と推定されています。
ノルディックウォーキングは、下肢への負担を減らしつつ、上肢や体幹など全身の筋肉を使うことから、高い運動効果が認められています。
ノルディックウォーキングの始め方
ノルディックウォーキングは、誰でも簡単に始められるものですので、難しく考えなくても大丈夫です。
正しいポールの使い方を知っておくことで、より高い運動効果が得られますので、一度確認しておきましょう。
ポールの長さと持ち方
ポールの長さ
ポールの長さの目安は「身長×0.68」となります。
もしくは、ポールを垂直に立てたときに、肘がちょうど90°に曲がるくらいが良いです。
ストラップを装着
引用)https://jtbsports.jp/contents/nordic4.php
ストラップを装着し、歩く際は握りの部分は軽く掴む程度で良いです。
※注意:血流が悪くならないように、手首に固定するタイプのストラップはきつくしすぎたり、また握りの部分を力強く握りすぎないようにしてください。
ポールを使った歩き方
お分かりだと思いますが、通常歩く際は、片側の手足は反対方向に動きますよね。
例えば、右側の手足で考えると、右足が前に出ているときは、右手は後ろに動きます。
このとき、右手で持っているポールでしっかり地面を突き、前方への推進力をつくります。
それを左右交互に繰り返していくだけです。
頭で考えてもわかりにくいので、実際にポールを使って身体で感じた方が良いかと思います。
参考にこちら↓の動画もご覧ください。
背筋を伸ばし遠くを見る、ポールで地面を突き前に進むのがポイントです。
ノルディックウォーキングの運動効果
ここからは、ノルディックウォーキングの運動効果について解説していきます。
全身の筋肉の90%を使うことができる
筋電図を用いた研究は様々ありますが、通常歩行に比べて、ノルディックウォーキングのほうが特に上肢や体幹周囲の筋活動が顕著に増加しているとの報告が数多くみられます。
下肢の筋活動に関する一致した見解はみられませんが、膝や足部周囲の筋活動はやや低下しているようです。
これは、ポールで身体を支えているため、後述する膝や足部の負担軽減になると考えられます。
また、上肢や体幹周囲の筋肉も活動するため、全身の血流量が増し、肩こりや腰痛などにも効果が期待されます。
ダイエットにも効果あり
ノルディックウォーキングは、通常歩行よりもエネルギー消費量が20%増加するといわれています。
通常歩行に比べて、血圧や心拍数の増加がみられると報告されており、全身の筋肉を使うことで、エネルギー供給に必要な血流量が増したためと考えられます。
ノルディックウォーキングは、全身の筋肉を使う有酸素運動であり、エネルギー消費量が多いことからダイエットに効果があるといえます。
膝や足部の負担軽減になる
ポールは身体を支える役割があることから、膝や足部の負担軽減にもなります。
下肢の筋電図をみると、通常歩行に比べてやや低下していることからも下肢に対する負担は減っているといえます。
下肢への負担を減らすことができるため、ノルディックウォーキングは長距離の歩行にも活用できます。
心拍数の割に自覚的疲労度が少ない
ノルディックウォーキングは、通常歩行に比べて心拍数が平均5~10拍/分高くなります。
しかし、面白いことに通常歩行と比べると、自覚的な疲労度はむしろノルディックウォーキングのほうが低くなっています。
ノルディックウォーキングは楽に歩けると感じている人が多く、その上消費カロリーを増やすことができる運動といえます。
また、急な登り勾配でも比較的楽に感じるため、山登りなどにも活用できます。
歩幅が増加することで認知症の予防になる
ノルディックウォーキングは、左右への身体の動揺を抑えることができるため、前方へ進む力が得られやすくなります。加えて、歩行中は上肢も使うため左右の手足が捻じれる形になり、必然的に歩幅が大きくなります。
日本・東京都健康長寿医療センター研究所の研究によると、歩幅が広い人に比べて短い人では認知症になるリスクが3.4倍高くなると報告されています。
歩く歩幅が増加することで、全身の筋肉を活動させるため、脳細胞が活発になり脳血流量が増加すると考えられます。
健康寿命の延長にもつながる
ノルディックウォーキングをすることで、左右への身体の動揺を抑えられるため転倒予防にもつながります。
また、上で紹介した運動効果により、全身の筋力・筋持久力の向上、膝痛などの予防、認知機能の維持にもなるのでノルディックウォーキングを続けることで長く健康でいられるともいえます。
心臓病や人工膝関節置換術後などの疾患にも効果があると報告されているため、様々な疾患にも取り入れやすい運動です。
転倒予防にもなる
ポールを使用することで、左右へバランスが崩れるのを防いでくれるため転倒予防にもなります。
また、上で説明した通り膝への負担軽減、全身の筋肉を活性化させることで、高齢者でみられやすい活動性の低下を防ぐことにもなります。
また、認知症は転倒との関係性もあり、認知症の予防は転倒予防にも繋がります。
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ポールの選び方
様々な種類のポールがあります。
アルミ素材のものは、やや重く感じられるかもしれませんが、値段が安く、丈夫で折れにくい素材です。
カーボン素材のものは、値段は高いですが、軽く長時間の歩行には最適です。
まとめ
ノルディックウォーキングについて解説しました。
ノルディックウォーキングは、正しい方法で行うとリスクはほぼないのが大きな特徴です。
誰でも簡単に始められるので、ご興味のある方は是非試してみてください。