理学療法 転倒予防

高齢者の大腿骨頸部骨折に対するヒッププロテクターの予防効果とは?

投稿日:2016年10月24日 更新日:

大腿骨頸部骨折は高齢者に多い骨折で、寝たきり原因の第3位にもなり、要支援や要介護の原因の第4位にもなります。

大腿骨頸部骨折のほとんどが転倒により発生していることから、まずは転倒しないことが大切です。

しかし、高齢にもなると足から衰えると言われているように、転倒してしまう確率は高齢者ほど増加します。

すると、次なる対策が求められます。

それが、骨折予防です。

骨折しないためには、骨を強くすること、道具を使うなどである程度の予防が可能です。

今回は、ヒッププロテクターによる骨折予防の効果を解説します。

 

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大腿骨頸部骨折はどのくらいの強さで骨折する?

立位や歩行時の高さから転倒した際には、腰部に受ける衝撃荷重は筋弛緩状態で5600N(ニュートン)、筋緊張状態で8600Nと推定されています。

骨の強度としては、778~4093Nと計算されています。

実際には、大腿骨頸部は平均2166Nの衝撃で容易に骨折が生じた報告されています。

つまり、何も防御なしに大腿骨頸部を打ち付けたとすれば、若年者でも容易に骨折することになります。

それだけ、大腿骨頸部はデリケートだということです。

若年者の場合には、手を出したり足を踏み出したり、体を捻るなどして大腿骨頸部への衝撃をかなり軽減しています。

高齢者になると、これらの動きをとることが難しい場合があり、衝撃を分散させられずに骨折に至る可能性が高くなってしまいます。

 

転倒しないための3つの方略について)

高齢者に多い転倒方向

高齢者の転倒のきっかけとして多いのが、①つまずき、②ふらついた際にバランスを崩すなどが挙げられます。

 

 転倒方向としては・・・

つまずきでは前方へ転倒、ふらつき・バランスを崩した際には側方や後方に転倒しやすいです。

前方へ転倒した際には、膝や手・手関節の骨折が多く、側方への転倒では大腿骨頸部骨折が最も多いことが明らかになっています。

 

不意な方向転換、上の物をとろうとしたなどでは、側方や後方へ転倒することが多くなります。

これらはバランス能力自体が低下している可能性があり、高齢者の骨折において約3割は前庭機能に障害があるとも報告されています。

 

参考記事)

ヒッププロテクターってどんなもの?

ヒッププロテクターは、下の写真のように柔らかい下着素材のもので、股関節外側あたりに衝撃吸収パットが入っています。

このパットにより、転倒した際の衝撃を和らげてくれます。

従来のヒッププロテクターのデメリットとして、装着感の悪さや脱着のしづらさなどがありました。

kaneka(カネカ)製品のヒッププロテクターは、薄さ6mmの衝撃吸収パットでかつ衝撃を軽減できるものになっています。

また、下着に近い素材で着脱もしやすいようです。

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ヒッププロテクター着用による骨折の予防効果とは

転倒により大腿骨頸部骨折に至るまでには、皮膚や筋肉などの軟部組織の厚みがあると衝撃を緩衝する効果があります。

特に痩せている人では衝撃がダイレクトに骨に伝わるため容易に骨折してしまいます。

ヒッププロテクターを着用した実験では、衝撃を30~63%低下させる効果があるといわれています。

施設入所の高齢者では25%ほどの骨折予防効果があるものの、地域在住の高齢者では明らかなエビデンス(根拠)がないのが現状です。

施設入所の場合、集計の管理がしやすいことに加えて、スタッフによる徹底したヒッププロテクターの装着が可能であると考えらえます。

自宅生活においては、いつ骨折するかなどを気にして生活することはあまりなく、骨折予防に対する意識の低さも原因ではないかと考えらえます。

いずれにしても、当事者だけでなく周囲に人からの働きかけも必要になってきます。

しかし、転倒や骨折を過度に気にするあまりに「転倒恐怖感」に陥り、活動性が極端に低下してしまう可能性もあるため注意したいところです。

一部の報告では、ヒッププロテクターを着用することで「転倒恐怖感」が軽減したともいわれています。

まとめ

ヒッププロテクターの骨折予防効果を中心に解説しました。

まずは、転倒しないことが大切なのですが、次なる対策が骨折予防になります。

 

 

ちなみに、転倒原因の2位が過去の転倒歴です。

参考記事)転倒しやすい場所・時間・原因

 

①一度転倒したことがある人

②転倒のきっかけもよくわからない人

これらに該当する人は、再度転倒する可能性があると予想できます。

骨折予防のためにも、ヒッププロテクターの着用を検討してみてください。

 

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