僕は今、理学療法士7年目になり、転職を1度経験しています。
以前勤めていた職場でも今の職場でも、実習生を受け持つことが多く、そういった意味では経験年数の割に良い経験をさせてもっています。
ちなみに、僕が一番最初にサブで実習生を持ったのが、1年目の6月のことです。しかも、臨床実習の最後の実習生を担当しました。
こうして初めて実習生を受け持ったときや今までのことを思い返してみると、僕の実習生への指導方法も変化しているなぁと感じます。
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理学療法士は3年目くらいから調子に乗ってしまう
最近、ねこさと(PT)さんが【理学療法士あるある】をTwitterで呟いていましたので、勝手に引用させてもらいます。笑
【 理学療法士あるある】
3年目ぐらいになると何故かイケイケになって、やたらと後輩とかに教えたがる— ねこさと@人生損切り (@ynbr333) September 12, 2016
はい、これ僕のことです。笑
そして、僕は以下のようにコメントしました。
ありますね。笑
そして、5年目くらいにそれが愚かであることに気づく。か気づかないかに分かれる。 https://t.co/iRukZ2R4OR— 🌎楠村 和也@かずぼー (@kazubo_rigaku) September 12, 2016
3年目くらいになると、患者さんの能力的な予後も上手く考察できるようになるし、後輩もできて知ってることを教えたくなる時期なんですよね。
この頃って、実習生にも結構ストレートにできていないことを指摘してみたり、レポートなんか揚げ足の取り放題で、赤ペンだらけにしてましたね。
別に嫌がらせをしているつもりはなかったんですが。ただただ、僕も熱く指導しているつもりでした。
実習生に対しては「なんで人がこんなに一生懸命教えてるのにレポートに書いてこないの?!」とか思ってました。もどかしくて仕方なかったときもありましたね。
それで、ついつい過保護に指導しちゃって、一見するとできた感じに見せかけていました。
例えば、症例発表では徹底的に添削して発表を迎えさせていました。
それって、指導者の自己満足にすぎなくて、実習生は言われたまんまやってるだけですので、実はあまり身についていないんですよね。
そんな指導されても、何ヵ月かしたら、コロッと忘れてますよ。
ホントに愚かだったなぁと、今では思います。
僕は5年目で転職したので、それがきっかけで理学療法士としての考え方が大きく変化した時期でもありました。
やはり職場が変われば、人も環境も変わりますので、職場特有の考え方みたいなものがあります。それはひしひしと感じました。
今まで自分が積み上げてきたものって、ひょっとしたら違うかも?と思いましたね。
転職してわかったことは、まだまだ知らないことが多いということです。
ダメ出しばかりの指導をしていませんか?
最近の僕はといえば、実習生には仏のように優しくなっちゃいましたね。
どうな感じかというと、実習生が患者さんと関わってるときは、リスク管理だけ徹底的に見張って、あとはほとんど指摘をしません。実習生が困っていたら、口を出すだけです。
なんで、こんなに何も言わないのかというと、ダメ出しすることは意欲を削ぐだけだと思うからです。余計な口出しも同様です。
当然いろんな指導方法がありますが、僕が今まで模索してみた結果、このような指導の仕方になっているのは事実です。
指導者が手取り足取り教えることを、実習生がすぐに習得できるわけがないですし、すぐに習得できるような技術ならその程度なのかいう話になります。
実習生は、実習で初めて経験することばかりで緊張するし、当然失敗もします。
これはぶっちゃけですが、手取り足取りの指導なんか正直うざいと思ってますよ。そう思っている実習生は多いです。
そういった指導は、一時的には良い効果を見せるかもしれませんが、長続きはしません。
実習生が取る行動の目的が、指導者のご機嫌取りになってしまいます。
指導者が意識するのは、実習生の行動をサポートすること
先日、実習生に必要なのは知識でも、技術でもなく、行動力である!という記事を書きました。
実習生に大切なことは、とにかく経験値を増やすことです。実習において大切なことはそれだけです。
では、指導者は実習生に何をさせてあげるのが良いのでしょうか?
行動しやすいようにサポートするだけです。
積極性がない、行動力がない、学習意欲がない。このように言われる実習生は多いと思います。
僕も実習では、この類のことを結構言われてきました。
実習生時代にこのように言われた人でも、実際理学療法士になって何年かすれば、(僕はともかく)頼もしく働いている人は多いはずです。
僕も7年くらい理学療法士をやっていますが、学生時代に比べれば知識は増えています。学生時代を含めると10年以上は理学療法士の勉強をしています。
それくらいの年月を経て得てきた知識を、実習生に求めるのは無理があるでしょう。
なら、実習生に何を教えれば良いのかを考えると、必要なのは行動力じゃないかという答えに行き着いたわけです。
つまり、実習生自らで学ぶ姿勢を身につけてもらうのです。
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指導者から積極的にコミュニケーションをとることが大切
指導者は、実習生の行動意欲を削ぐような発言を絶対にしてはいけないと僕は思います。
ただ、実習生を野放しにはできませんので、僕は逐一何の評価や訓練をするのかを実習生から報告してもらうようにしています。
そこでもほとんど口出しはしません。さすがに患者さんに不利益が被るような内容であれば修正してもらいますが。
実習生って指導者に報告するとき、結構緊張するものなんです。
緊張したら疲れるし、良いパフォーマンスは出せません。そのような余計な緊張は取っ払ったほうが良いでしょう。
僕がしてるのは、普段から実習生に他愛のない話をすることです。
単純ですけど、そうしていれば話かけて来やすいかな~って思ったのです。
実際、積極性がない。と前回の実習でレッテルを貼られていた実習生でも気軽に相談にくるようになりましたし、行動力もついてきたと感じています。
指導者として、頼られるのは普通に嬉しいことですし、実習生が上手く実習をこなすようになれば尚更良いことですよね。
普段のコミュニケーションがまともに取れていないのに、指導なんて上手くできないと僕は思います。
どんな人なのか、どういう考え方をしているのか、こういったことはコミュニケーションなくして分かるわけがないです。
もし、実習生があなたの友人もしくはよく知る後輩だとすれば指導しやすいと思いませんか?
それは、相手のことをよく知っているからなんですよね。
患者さんとのリハビリでも、コミュニケーションがまともにとれない理学療法士が治療効果を最大限に発揮するなんて、僕みたいな凡人には不可能です。
指導という意味では、患者さんも実習生も考え方は似たところがあると思います。
実習生を良い方向へ導いていくために必要なことは、指導者からの積極的なコミュニケーションなんだということを理学療法士7年目にして気づきました。遅っっ!!
まとめ
今回の記事は、今までの指導方法ついて自己の反省の意味も込めて書いてみました。
実習生を指導していて、もどかしく思うときってありますよね。
他人の行動がもどかしく感じるときって、実は自分自身が成長した証でもあるんです。
自分も実習生と同じ時期は、できてなんかいなかったはずです。
経験を積んでできることが増えてくると、もっとこうしたらいいのに!って思っちゃうんですよね。
でも、焦ってはダメだと思います。
人はそんなすぐには成長しませんからね。