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「認知行動療法」の具体的なやり方をわかりやすく解説!おすすめ本もご紹介

投稿日:2016年8月3日 更新日:

腰痛診療ガイドライン2012年では、認知行動療法は亜急性期または慢性腰痛に有用であるとしてGradeAとされています。

つまり、質の高いエビデンスがあり、行うよう強く推奨されているということです。

今回は、その認知行動療法をわかりやすく解説していきます。

慢性腰痛だけでなく、不安障害やうつ病などの精神疾患にも活用できる治療方法です。

是非参考にしてください。

 

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認知行動療法とは

1990年代にイギリスのクラーク、サルコフスキらによって行動療法と認知療法を統合した治療法が認知行動療法になります。

従来の精神療法と認知行動療法の違いを簡単に説明します。

従来の精神療法

セラピストは基本的に受容、共感、傾聴の姿勢をとります。

感情を受け止め分析し、その症状を改善する手法を提案、症状の好転を待つ方法をとります。

セラピストは否定したり、訴えを遮ったりしない受け身の姿勢をとります。

認知行動療法

従来の受容、共感、傾聴の姿勢は変わりません。

ですが、セラピストは積極的に患者さんに働きかけ、知性の用い方や問題解決の道筋を一緒に提案していく姿勢をとります。

認知行動療法で注目すべきはこの3つ

認知行動療法では、「認知」「感情」「行動」の3つに注目します。

認知

状況をどのように捉えているのかの考え方を指します。意識的な場合もあれば、自然に浮かぶ思考の癖も含みます。

感情

どのように感じたかを指します。楽しかったのか、不安だったのか、落ち込んだのか、罪悪感だったのかというようなものを指します。

行動

実際に行ったことを指します。例えば、買い物に行ったとか、映画を観に行ったなどの行動を指します。

考えの癖(スキーマ)とは?

認知は、自然に浮かぶ思考も含むと解説しました。何気なく浮かぶ思考があり、このことを自動思考といいます。

また、自動思考の更に奥には「考えの癖」というものがあります。この考えの癖のことをスキーマといいます。

例えば、「自分はダメな人間だ」「自分にはどうせできない」「動くと痛みが強くなる」など、根っこの部分で思っているところがあります。

図でイメージすると、以下のようになります。

この考えの癖によって、行動や感情を生じさせていることを表しています。

認知行動療法を取り入れる具体的は方法

慢性痛を例に、認知行動療法を解説していきます。

「動くと痛みが強くなる」と認知しており、だから「安静にして寝ておこう」という行動につながっていたとします。

このときの「感情」はどうか?を確認します。

「本当は楽しくショッピングをしたいのにできない。辛い、悲しい」という感情が見えてきます。

もし、「いやっ!寝ているほうが楽しい、楽だ!」という感情であればちょっとアプローチは難しいですが、上記のように「安静に寝ていることが辛い、悲しい」という感情があれば、認知行動療法は効果を発揮しやすくなります。

感情に焦点をあてる

感情には、快・不快があります。

感情は自然に生じるもので、直接コントロールするのはほぼ不可能です。

嫌いなものを好きになれ!と言われても、無理なものは無理ですよね。

感情は、認知と行動の結果に生まれるものです。

ですので、アプローチとしては、認知か行動を変える必要があります。

もし、目的とした行動ができれば感情はどうだったのかを見ていきます。

「外を歩いてみたけど、しんどかった。少し痛みがあったけど、歩けて良かった。意外とできて嬉しかった。」など、良い感情をどんどん掘り下げていきます。

認知を修正する方法

前述したように、まずは思考の癖(スキーマ)を探る必要があります。

ただし、認知は意外と自分でコントロールできないものです。

腰痛に悩んでいたとすれば、腰痛に関する本を読んだり、治療者からの助言、講義を聞いたりと正しい知識を得ることで、歪んだ認知を修正しやすくなります。

または、集団認知行動療法というのもあります。一人でクヨクヨするよりも、他の人の様子を見ることで共感したり、違う視点や客観的な視点で症状を捉えることができます。

患者さんから「動いてみたら案外痛みは感じないんだな」「これくらいなら自分にもできるんだ」など、できるだけポジティブな情報を引き出すことができれば良いでしょう。

行動から変えるのも良い

上記のように認知を変えてから行動に移すのも良いですが、先に行動に移してから感情に焦点をあて、認知を修正することもできます。

敢えて不安の生じることをやってみる暴露療法という方法があります。

※注意:本人にとってかなり苦痛を伴いますので、徐々に行動を変化させていくことが大切です。

そして、そのときの感情はどうだったかに注目します。

「意外と大丈夫だった」「今までできないと思っていたことができて嬉しかった」など、ポジティブな感情が生まれれば、認知も修正しやすくなります。

もし、患者さんが不安にかられても、セラピストは過剰に反応しないようにします(反応妨害法)。

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認知行動療法の最終目標は?

行動を変えることです。

いくら認知が変化しても、実際に行動しなければ前に進みませんし、ポジティブな感情も生まれません。

「認知」「行動」「感情」はそれぞれ相互に作用しています。

この3つを捉えるのが、認知行動療法のポイントです。

認知行動療法を理解するならこの本がおススメ

認知行動療法について勉強しようと思っていろいろ読み漁りましたが、この書籍が一番わかりやすかったので、おすすめしたいと思います。

まとめ

認知行動療法はいろんな場面で使えますので、療法士の方は是非知っておいてほしいと思います。

慢性痛だけでなく、不安で行動に移せないという患者さんにも行動を変化させる手段として活用できます。

 

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