これから夏本番を迎えるにつれ、気温がどんどん高くなっていきますね。
今年(2016年)埼玉では、7月に入ってもう35℃を超えているところがあるとか。
関西でも30℃を超え、夏になると毎年懲りずに「暑いなぁ~」と言ってる僕であります。
そんな暑い夏に多い症状として、熱中症があります。
特に7~8月は熱中症による死亡者数が多く、毎年のように死亡者が出たとニュースになっていますので、気をつけたいところです。
今回、熱中症の基礎知識と予防方法、さらに熱中症になったときの対処方法までご紹介します。
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熱中症の基礎知識
熱中症とは
熱中症とは、高温多湿の環境下で、体内の水分と塩分(ナトリウム)のバランスが崩れたり、体温調節機能が上手くいかなくなり発症する障害のことをいいます。
熱中症の重症度分類
分類 | 症状 | 重症度 |
Ⅰ度 | めまい、失神(立ちくらみ)、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り) | 軽度 |
Ⅱ度 | 頭痛、気分不快、吐き気、嘔吐、倦怠感 | 中等度 |
Ⅲ度 | 高体温、意識障害、痙攣、手足の運動障害 | 重度 |
熱中症の症状
熱失神(重症度Ⅰ度)
高温環境下で皮膚温が著しく上昇したことで、脳への血流量が減少するために立ちくらみのような症状がみられます。
内臓への血流量が減少し、また心臓に戻る血液量も減少するため、血圧は低下します。代償として心拍数が増加します。
症状としては、めまいや失神、全身倦怠感や脱力感などを訴えます。
熱けいれん(重症度Ⅰ度)
汗で失われた塩分(ナトリウム)が不足することで筋肉内に水分が貯留します。
その結果、筋肉のけいれん発作(筋肉のこむら返りや筋肉の痛み)を引き起こします。
塩分を摂取しないと、日中だけでなく入浴後や睡眠中にもけいれん発作が起こることもあります。
熱疲労(重症度Ⅱ度)
体内の水分量が不足することで、血液濃度が濃くなり、心臓の負担が増大します。
全身のだるさや集中力低下、頭痛、吐き気、めまい、四肢の異常感覚、冷汗など様々な症状がみられるようになります。
熱射病(重症度Ⅲ度)
熱中症の中でも最も致死率が高いのが熱射病です。
体温は通常40℃を超えることは稀ですが、高温とともに体温調節機能が失われ、意識障害、悪心、頭痛、運動障害などがみらえるようになります。
気温が28℃以上で熱中症の発症率が上昇
暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)によると、気温が28℃を超えると熱中症の発症率が著しく増加していることがわかっています。
また、気温が31℃を超えると、高齢者の場合は安静状態でも熱中症を発症する危険があります。
熱中症による死亡者が多い場所と時間
熱中症による死亡者数を見ると建設業が圧倒的に多く、次いで製造業となっています。
特に建設業では、直射日光に当たることや建物に囲まれること、重労働などが重なり熱中症の発症率を引き上げていると考えられます。
また、室内にいるから安心というわけではなく、高温下の室内でも大量の汗をかくことで体内の水分や塩分(ナトリウム)が喪失し、熱けいれんや熱疲労などの症状がみられるようになります。
また、死亡者数が多い時間は16時をピークに14時~17時の間とのデータがあります。
午後の暑い時間に長時間の労働が加わることで熱中症を発症するようです。
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熱中症にならないための予防方法
ここからは熱中症の予防方法をご紹介します。
すでに上で説明した基礎知識をしっかり読んでもらえれば、おのずと予防方法がみえてきます。
2つのポイントを念頭に予防方法を考えましょう。
1つ目は、こまめに冷えた水分(塩分も)を摂取する
2つ目は、体温の著しい上昇を避ける
気温が28℃を超えた場合は、熱中症対策が必要
暑さ指数(WBGT)で示すように気温が28℃以上の場合は、熱中症の対策は必須です。
気温が28℃を超える場合は、激しい運動は控え、こまめに水分や塩分を摂取することが大切です。
こまめに冷えた水分と塩分を摂取する
何もしていなくても、1日に0.5~1ℓの汗をかきます。真夏の暑い日では2ℓを超えることもあります。
工場などの暑い環境下では、約10ℓの汗をかくこともあります。
注意しなければいけないのが、水だけを飲んでいても、体内のナトリウム濃度が薄まるだけなので熱けいれんや熱疲労などを引き起こします。
また、体内の水分量だけ増えると、その分尿として排泄されるので、結果的には体内循環の調節にはなりません。
食塩水をこまめに飲んでおくと良いでしょう。
塩分の目安は0.1~0.3%(1ℓの水に対して塩をひとつまみ1~3g)です。
また、塩の錠剤(飴やグミ)などを摂取するのも良いでしょう。
こちら↓の経口補水液 OS-1は、軽度から中等度の脱水症状に対し、体内の水分と電解質を補給してくれます。
医療の現場でも広く普及しており、熱中症対策としても効果的な飲み物です。
また、冷えた水を飲むことで体温を下げる効果があります。
体温の著しい上昇を避ける
・室内の温度は24~26℃に設定する
あまり暑すぎても意味がないですし、逆に冷えすぎると血管が収縮してしまい、皮膚からの放熱を妨げてしまうため室内温度は24~26℃くらいが良いとされています。
・外出時には、帽子や日傘などで直射日光を避けることも必要
・室内でも可能なら保冷剤を使用したり、水を浴びるなども良い
・涼しい服装で体熱を放出する
・夜間時にも熱中症になることがあるので、クーラーはつけっぱなしのほうが良い(タイマー設定はしない)
熱中症になった場合の対処方法
熱中症の症状がみられた場合、命に関わることもあるので適切な対処が求められます。
周りの人で熱中症の症状が見られた場合、以下の対処を行うと良いでしょう。
軽度から中等度の症状であれば、以下の手順で様子をみれば自然に回復しますが、重度の場合は直ちに医療機関にかかる必要があります。
一番初めにすることは意識の確認
意識がなければ、重症度はⅢ度であり、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
なるべく涼しい場所に移動
意識がある・なしに関わらず、涼しい場所(できれば室内温度24~26℃)や木陰に移動しましょう。
体温を下げる
熱中症の場合、体温が異常に上昇しているため体温を下げる必要があります。
太い動脈のある首や脇の下、太ももの付け根に保冷剤や氷、冷やしたタオルなどを当てておきましょう。
また、服を緩めて体温を放出することも大切です。
意識があれば、水分と塩分を摂取する
意識があり、声掛けにも反応するようなら水分と塩分の摂取を促しましょう。
医療機関への受診の必要性は?
特に体調が戻れば大丈夫ですが、もし体調が回復しないようなら医療機関へ受診することをおすすめします。
まとめ
これから夏本番を迎えますので、熱中症にはくれぐれも注意してください。
本当に毎年のように死亡者が出ていますので防ぎたいところです。ほんとに。
中には冷房や扇風機が嫌いな人もいますよね。
嫌いなことを無理にとは言いませんが、室内でも熱中症になりますので、保冷剤や氷などを使用することをおすすめします。
たまに高齢者で、冷房と暖房を間違えて入れてる人もいますよ。(これはマジでありますので注意!)
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