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理学療法士の症例発表に「時間制限」を設ける理由

投稿日:2016年5月28日 更新日:

理学療法士の実習生や経験年数の若い理学療法士に課せられる課題として、「症例発表」というものがあります。

症例発表とは、自分が担当した患者さんの治療内容や経過、考察を他者に向けて発表するといったものです。

この症例発表には、「10分間」や「7分間」など、時間制限を設けることがほとんどです。

なぜ、このように「時間制限」を設けるのでしょうか?

僕なりに考察してみました。

 

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傍聴者のメリット

理学療法士の臨床実習では、「症例レポート」というものを作成します。

その内容は、「はじめに」から書き出し、「患者情報」「検査結果」、「動作観察」、「統合と解釈」又は「考察」、「問題点抽出」、「ゴール設定」、「治療プログラム」などを書いていきます。

枚数にすると、実に30枚〜50枚くらいになることもあります。30枚くらいのレポートを読むには1時間くらいかかってしまいます。

もし、症例発表に時間制限を設けなければ、傍聴者は膨大な時間その内容を聞かされることになります。

それでは時間がいくらあっても足りません。

まず傍聴者にとっては時間の無駄です。

また、1時間も聞かされたら、結局何が言いたいのかわかりません。

症例発表に「時間制限」を設けることは、傍聴者にとって時間短縮、内容の明確化が図れることがメリットになります。

もしリハビリに時間制限がないと仮定したら?

例えば、問題点が50個挙げられたとします。

もしリハビリの時間が延々にあるとすれば、ただ問題点を挙げるだけでいいんです。

50番目(一番確率の低い)の問題点から、時間をかけてアプローチしたっていいんです。

2週間くらい経って、ちょっと違うなとなっても、49番目の問題点に取り掛かればいいのです。

そうやって時間をかけても、いずれ1番目の問題点にアプローチする時期がきます。

ですが、人間にはそんな沢山の時間はありません。

そんなことしている間に死んでしまうかもしれません。

機能回復の時期を逃してしまうかもしれません。

退院期限が来てしまうかもしれません。

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発表者のメリット

では、発表者にとって、時間制限を設けることでどのようなメリットがあるのでしょうか?

リハビリをする際は、1単位20分、1時間リハビリするなら60分3単位と時間制限があります。

また、入院期限というものもあります。

リハビリを受けられる期限が決まっています。

1日中または何年も永遠リハビリができるわけではないのです。

もっと大きな視点でみると、人の命も永遠ではありません。

人生には必ず時間制限があります。

限られた時間があるから、「今これをしておかないと後で後悔する」などの思いが生まれます。

人生も、リハビリ期限も、1日も、1日のリハビリ時間も、必ず時間制限が設けられています。

何が言いたいかというと、「時間制限」があるから「優先順位」が重要になるということです。

先輩セラピストから、よく「優先順位」を考えて!と言われることがあると思いますが、それは「時間制限」があるからなんです。

つまり「一番効率の良い方法を考える癖」を身につけていくことが大切なのです。

症例発表の話に戻ります。

症例発表では、自分が患者さんと関わってきた内容を発表します。

時間制限が設けられた中で、何を優先してアプローチをしてきたのかを発表するのが症例発表です。

経験年数の若い理学療法士は、特に「優先順位」をつけることが苦手な傾向にあります。

症例発表には、入念な準備が必要になります。

この準備期間に、自分は何を優先してアプローチしてきたのかを再確認するいい機会になります。

まとめ

今回の内容は僕の考察ですので、他のご意見もあると思います。

最後にもう一度いいます。

症例発表に「時間制限」を設ける理由は、優先順位を組み立てる能力を養うためです。

 

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