昨今は、理学療法士や作業療法士の激増により若い療法士のスキルアップが必須といえます。
スキルアップといっても、患者さんをよくするスキルだけでなく、後輩指導やその他業務におけるマネジメントも含んでいます。
実は、僕の職場でも2・3年目の教育システムが希薄という問題が挙がりました。
そして、看護教育で実践されているクリニカルラダーというものを参考に教育カリキュラムが作られました。
今回は、クリニカルラダーの説明と療法士が見習いたいポイントをご紹介します。
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クリニカルラダーとは
看護教育で使われている教育システムであり、看護師の専門知識を年次ごとに段階的に習得していくシステムのことをいいます。
看護教育におけるクリニカルラダーの実際
病院によって年次目標や達成課題が違いますので、あくまでも参考程度にしてください。
レベルⅠ | 新人 | 指導を受けながら看護実践が安全にできる |
レベルⅡ | 2~3年目 | 看護実践が安全・確実にできる |
レベルⅢ | 4年目~ | 看護実践が確実にでき、プリセプター(新人教育者)などの役割が果たせる |
レベルⅣ | 5年目~ | 看護実践においてロールモデルとなり、後輩を育成できること |
レベルⅠ
指導を受けながら、看護実践が安全にできることを目標にします。
目標時期(いつまでに)、課題(何ができるように)を設定し、看護師としての一通りのスキルが身につけられるカリキュラムになっています。
レベルⅡ
看護実践が安全・確実にできることを目標におきます。
レベルⅠでは指導を受けながら看護実践を経験しましたが、レベルⅡは一人前に看護ができることを求められます。
ここで注意しなければいけないのが、「誰が」この目標管理をするのかを決めておかないといけません。それは、レベルⅢの3~4年目かもしれませんし、もっと先輩かもしれません。
療法士もそうですが、2年目は気が緩みやすい時期でもあります。煙たい指導者がベッタリつかなくなりますし、自分の思うように行動できます。
そのため、一人前に看護ができるかどうかをチェックするシステムが必要になります。
レベルⅡでは、看護が一人前にできるようになれば、レベルⅢに向かって教育者として準備をしておくことも大切です。
レベルⅢ
看護実践が確実にでき、プリセプター(新人教育者)などの役割が果たせることを目標におきます。
つまり、教育する役割が求められるようになります。
レベルⅡの段階で、教育ができる準備をしておかないと、突然教育としての役割を与えられますから困ってしまいます。
少しでもいいので、レベルⅡの段階で人に教える・伝えるということを経験するシステムがあるとスムーズにレベルⅢに移行できます。
レベルⅣ
看護実践においてロールモデルになり、後輩を育成できることを目標におきます。
※ロールモデルとは、自分にとって、具体的な行動や考え方の模倣となる人物のことをいいます。
成長において、人は「あの人のようになりたい」というロールモデルをもっています。
つまり、先輩が後輩に背中を見せる、いい手本になることが求められます。
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クリニカルラダーを参考に療法士が見習いたいポイント
理学療法士や作業療法士もただひたすらに療法士として腕を磨くだけでは、組織の活性化には繋がりません。
つまり、テクニカルスキル(ある業務を遂行するスキル、療法士の場合は患者診療にあたる)だけではなく、ノンテクニカルスキル(テクニカルスキル以外)も必要な能力となります。
療法士が見習いたいポイント
「いつまでに」、「◯◯ができるようになる」を意識して取り組むことが大切です。
レベルⅡ(2年目)では一通り業務がこなせるようになっていますが、それでも気が緩んだり、不十分なことがあります。やはり、先輩が気をつけて見ておく必要がありますし、そのシステムも欠かせません。
また、今回紹介したクリニカルラダーの内容ではレベルⅢ(3~4年目)から教育するシステムが取り入れられています。
突然、教育する立場に移行するのはかなりの負担になりますので、レベルⅡ(2年目)の段階で少しでも教育する機会を与えるシステムを作ると良いでしょう。
参考にしたい書籍
専門職としてのナースを育てる看護継続教育クリニカルラダー,マネジメントラダーの実際
まとめ
最近、教育やマネジメントなどテクニカルスキル以外のことも勉強している僕ですが、また情報が得られれば噛み砕いてお伝えしたいと思います。
是非、参考にしてください。