僕のブログを読んでくださった方からお問い合わせフォームを通して質問をいただくことがあるので、今回はそちらのやりとりをシェアします。
掲載に関しては、質問様に許可をいただきました。
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膝蓋上嚢へ超音波療養をする際は、温熱?非温熱?という質問
【質問者様】
いつもブログ拝読させていただいています。
PT3年目の●●●●と申します。
7月の超音波療法についてのブログ記事で質問があります。
滑液包である膝蓋上嚢(上包)は温熱作用目的の超音波療法の適応
ご返信よろしくお願いします。
【僕(かずぼー)】
ブログを見ていただきまして、ありがとうございます!
膝蓋上嚢も温熱作用の適応に入ります。
ただ、照射部位で温熱、非温熱を決めるというよりも、組織の状態で決めるものです。
例えば、膝蓋上嚢に炎症所見がみられるなら、組織の回復促進目的で非温熱を選択します。
炎症所見はみられず、組織の硬さを改善したい場合は、温熱作用を用いて組織の温度を上げ、ストレッチと併用した治療を選択します。
【質問者様】
ご返信ありがとうございます!
大腿骨顆上骨折の術後の方で術後4週間ROM禁忌があり術後1ヶ月半ほど経過して膝屈曲制限が認められた症例に適応予定です。
身体所見、血液データ上炎症症状が改善していたため温熱目的の超音波療法と併用して介入しようと考えています。私の徒手療法では改善が難しかったので。
適応の思考過程まで丁寧にありがとうございます!
もう2つ質問お願いします。
超音波は骨や脂肪コラーゲン繊維、脂肪組織で吸収率が高く温熱作用が高いと認識しています。
温熱効果が得られやすい組織は関節包、筋腱移行部、脂肪体が挙げられると思うのですが
膝蓋上嚢のような滑液包は組織学的にどのような位置付けになるのでしょうか?
調べたところ滑液包は関節包由来の組織なので超音波も適応なのかと抽象的に理解していました。
もう一つの質問は関節包が超音波適応となる理由についてです。
関節包が超音波の適応となるのは滑膜ではなく骨膜と同様の密性結合組織である繊維膜で吸収率が高いからと考えています。この解釈についてかずぼーさんの意見があればぜひお聞きしたいです。
長文失礼します。
よろしくお願いします。
【僕(かずぼー)】
超音波は基本金属部位も大丈夫ですが、ものによっては禁忌の場合もあるので、使ってる超音波の説明書を読んでからにしてくださいね。
膝蓋上嚢の組織に関しては、あまり詳しくないのですみません。解釈としては違和感なく感じますが本当のところはわかりかねます。
【質問者様】
わかりました!
いろいろとご丁寧にありがとうございました!
補足(金属部位への照射について)
超音波療法は、メーカーによっては金属部位への照射が禁忌となっている場合があります。僕が学生の頃は、超音波療法は金属への照射は大丈夫と習った記憶があるのですが。
超音波機器のメーカーの人と話したことがあるのですが、メーカーによってはBNR(ビーム不均等率)が6前後になる場合があるそうです。そうすると、照射範囲が一点に集中してしまい、温熱(連続波)だと金属が熱しやすくなります。
超音波機器を選ぶ際はBNRが2くらいで記載されているメーカーが良いです。ちなみに、僕の勤めるクリニックではBNR2くらいの超音波機器が置いてあります。このようにBNRが低い場合は、熱が一点に集中しにくいので、金属部位への照射も適応となります。
ただし、照射時間率(DUTY)を100%(連続波)にするのではなく、間欠波(0~50%)に設定するようにしてください。
超音波療法の詳しい解説はこちら
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