機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)のトイレの項目について詳しく解説します。
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トイレ動作の定義
以下の3つを評価します。
①下衣を下げる
②陰部・殿部などを拭く
③下衣を上げる
※以下の内容はトイレ動作に含みません
●トイレへ近づく → 移動の項目で評価
●トイレに乗り移る → トイレ移乗の項目で評価
●括約筋を絞める、その後始末 → 排泄コントロール(排尿管理、排便管理)の項目で評価
トイレ動作の採点範囲
ベッド上で差し込み式便器を使用したり、ポータブルトイレを使用している場合は、その際の衣服の下ろし、陰部・殿部を拭くなどを評価します。
また、生理用品の扱いも評価の対象になります。
ウォシュレットは補助具とは考えない。(日常化しているため)
トイレ動作の採点方法
点 | 介助量 | ||
介助者なし | 7 | 完全自立 | 0% |
6 | 修正自立 | 0% | |
介助者必要 | 5 | 監視・準備 | 0% |
4 | 最小介助 | <25% | |
3 | 中等度介助 | <50% | |
2 | 最大介助 | <75% | |
1 | 全介助 | ≧75% |
トイレ動作の採点範囲をすべて自分で行っていれば7点となります。
自助具を使用したり、時間を要している場合は6点となります。
さらに、下衣の上げ下ろしで立位をとる場合には、手すりの使用なども評価の対象になります。
手すりを使用し、自分で衣服を上げ下ろししている場合には6点となります。
トイレ動作の準備(5点以下)とは
例えば、衣服の上げ下ろしや陰部の清拭が自分でできたとしても、生理用品の扱いに介助者が必要であれば5点になります。
トイレ動作の介助(4~1点)
①下衣を下げる(33%)
②陰部・殿部などを拭く(33%)
③下衣を上げる(33%)
のうち何割を介助しているかで採点します。
例えば、3つのうち1つに介助が必要な場合は、1/3=33.3%であり、3点となります。
下衣服の上げ下ろしに介助が必要な場合
立位に触れている程度の介助 → 4点
立位は介助、下衣を上げるのに介助 → 3点
立位は介助、下衣を上げるのも下ろすのも介助 → 2点
排尿と排便、または日内変動で動作能力に差がある場合
低い方の点数で評価します。
例えば、排尿は最小介助(4点)だが、排便はオムツを使用し交換も全て介助でしている場合は1点となります。
また、日中は自立しているが、夜間は監視している場合は5点となります。