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臨床のこと

リハビリ拒否、暴言を吐く患者さんに悩む療法士へ。あなた自身は辛くないですか?

投稿日:2016年12月14日 更新日:

昨日Twitterで、ボソっと以下のツイートをしました。

コメントやいいね。が思ったよりもあったので、共感してもらえたのかなと思います。

 

リハビリを拒否、更に暴言を吐く患者さんに悩んでいる後輩に言えること。 セラピストとして悩むのは良いことです。 しかし、それって辛くないですか?辛いことにちゃんと気付けてますか? 運動することがリハビリだと思っていませんか? 患者さんと話をするだけでもいいじゃないですか。

 

Twitterは文字制限があるので、ブログの方ではもう少し僕の思いを膨らませてお伝えしようと思います。

このツイート。実は患者さん目線ではなく、患者さんに関わる人に向けてツイートしたのです。

 

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リハビリ拒否、更には暴言を吐く患者さん・・・療法士のあなたは辛くないですか?

先日、後輩が休みでしたので、後輩が担当する患者さんのリハビリを変わりに僕がするときがありました。

 

病室に行くなり、患者さんから

「何しに来たんや。帰れ!今から寝るところやったんや。迷惑な奴やな。俺はもう歩けるんや(歩けないのですが…)。今から夕飯まで寝ようと思ってたんや!」

と、まくし立てるように言われました。

 

一応僕も仕事ですので、説得したりして粘るわけです。

ですが、あまり効果はなかったです。

「この患者さんは何をしにリハビリ病院に入院しに来たのか・・・」という気持ちはグッと堪えて・・・

 

患者さんはもう顔辺りまで布団を被り、どう見ても運動できる状態にないので、とりあえず話だけでもしてみることにしました。

仕事の話を振れば、意外にも流暢に話し始めてました。まぁ結局その日は話をしただけ終わりましたけどね。

僕自身はその患者さんと初対面でしたので、全くリハビリらしいものはできませんでした。

ですが、少しの関わりだけでもいろんな情報を得ることができましたね。

 

翌日・・・

その患者さんの担当理学療法士から「どうでした?」と聞かれました。

「正直何もできなかったよ。」というのを伝えました。

 

それよりも、僕はその後輩のことが心配ですね。

毎日、その患者さんと関わり、何とか説得しながら少しでも動いてもらおうとしているわけです。

 

その患者さんを担当する前と今とで、仕事へのモチベーションに違いはないですか?

 

「あー、またあの患者さんかぁ…またいつもみたいに嫌なこと言われるだろうなぁ…嫌だなぁ…」

と思っていませんか?

リハビリを拒否する患者さんを担当したら、無意識にも上記のような気持ちになりますよね。

 

それって辛くないですか?

辛いってことにちゃんと気付けてますか?

東野圭吾氏の「人魚の眠る家」がヒントになった

僕も1〜2年目の頃は、何とかリハビリしてもらおうと必死に説得してました。

今までの患者さんは運良くリハビリをするまでに至りましたが、その頃の僕の心境を振り返ると、患者さんにものすごく気を使っていたなぁと思います。

 

「また嫌なこと言われるんじゃないか。少し運動負荷を上げてみようかな。でも、また怒られるんじゃないか。」

ほんと、毎日神経がすり減りますよ。

 

理学療法士を7年もしていると、最近は少し違う見方をするようになってきました。

リハビリを強要しても、患者さんは嫌がるよなぁ。

たとえリハビリ時間内に歩行練習したとしても、リハビリ以外はベッドに寝て、車椅子で移動して・・・

「俺のしたリハビリって意味あるのかなぁ…」って・・・

 

以前に、東野圭吾氏の小説「人魚の眠る家」を読んだのですが、新章先生の関わり方が一つのヒントになりました。

 

興味があれば参考記事↓も書いていますので、覗いてみてください。

関わる人が辛くなってはいけない。

関わる人が病んでしまっては、回り回って患者さんにも良くない。

 

そうです。

療法士のあなた自身が「嫌だなぁ…辛いなぁ」と思っていては、患者さんのリハビリは上手くいかないのです。

 

リハビリを上手く進めていくコツは、患者さんと療法士の気持ちを合致させることです。

それはものすごい力を生み、思ってもいない回復をみせることもあります。

リハビリの主役は患者さんです

その後輩は「他の先輩が担当だったらもっと良くなっていたんじゃないか?そう思うんです。」

と言いました。

 

僕から後輩へ言えること。

そんなことで悩まなくて良いです。

 

厳し言い方をすると、「患者さんを良くできると思ってたの?患者さんに頑張る気がないなら、誰が関わっても一緒だよ。」

 

理学療法士や作業療法士は、あくまでも回復の補助であり、動く気がない患者さんには誰が担当しても一緒です。

心理学的な知識を駆使して、リハビリが上手くできたっぽくみえても、リハビリ以外はベッドで寝ているわけでしょ。

リハビリの主役は患者さんなんです。

患者さんは心のケアも求めている

僕自身、今までに患者さんとのリハビリで、たわいのない話や腹を割った話しをすることもありました。

ほんとただ楽しく会話しているだけです。

その時に患者さんから言われた言葉があります。

 

「これもリハビリの内ですね!」

 

患者さんは何かしらの病気や怪我で入院しています。

少なからず精神面へのダメージもあるわけです。

患者さんの気持ちを汲み取らず、身体ばかりに目を向けたリハビリでは、患者さんは満足しないのです。

心のケアも必要なのだということが、患者さんの言葉からも推察できます。

そう考えると、話をするだけでも十分患者さんのためになっているんです。

結局「リハビリテーションとは何か?」というところに行き着く

リハビリテーション(英語: rehabilitation)とは、身体的、精神的、社会的に最も適した生活水準の達成を可能とすることによって、各人が自らの人生を変革していくことを目指し、且つ時間を限定した過程である。

引用)ウィキペディア

WHO(世界保健機関)による定義1981年

リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。そして、障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない。

引用)ウィキペディア

長文ですので、気になるところをピックアップして、僕なりに解釈してみると・・・

リハビリテーションは、精神面へのアプローチも含む。そのアプローチ方法にはあらゆる手段を含んでいる。

となります。

運動することだけがリハビリじゃないんです。

その先に目的があれば、会話をするだけでも良いんです。

そう考えてみたら、リハビリ拒否に悩むあなたも随分気持ちが楽になるんじゃないでしょうか?

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まずはあなたが落ち着く関わり方を見つけること

リハビリ拒否、更には暴言を吐く患者さん。確かに辛くなりますよ。

でも、こちらが「嫌だなぁ」と思ってしまったら、その先のリハビリも上手くいかなくなります。

そこで「もっと頑張って患者さんを説得するのだ!!」という発想はやめたほうが良いです。

あなたの精神が潰れてしまいます。

まずは、あなたの心が落ち着く関わり方を見つけて、ゆっくりと焦らず患者さんに話しかけてみてください。

少し遠回りになるかもしれませんが、その方があなたの精神状態も良くなり、回り回って患者さんとの関係性もきっと良くなるはずです。

その先に、歩行ができるようになったり、次の段階へ進めることを僕は今までにいくつも経験しています。

まとめ

いろいろと書きましたが、

僕が言いたいのは「リハビリ拒否の患者さんに深く悩まないほうが良いですよ。」ということです。

理学療法士や作業療法士のあなたの気持ちが滅入ってしまっては、患者さんに良質なリハビリは提供できなくなります。

まずは、あなたが落ち着く関わり方を探してみて下さい。

患者さんと良好な関係を築くことがまずは第一です。

それは、ただただ話をするだけになるかもしれません。

別にいいじゃないですか。

患者さんは動くことを望んでいないのですから。

でも、あなたの言うことなら動いてくれるようになるかもしれませんよ。

まずは理屈なんか抜きにして、そういった関係性を築いていくところから始めてみてはどうでしょうか。

 

関連記事)

リハビリを拒否する患者さんについて。療法士はどう対応すれば良い?

 

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