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理学療法

脊椎圧迫骨折の原因と治療。コルセットの着用期間や注意したい動きは?

投稿日:2016年12月1日 更新日:

脊椎圧迫骨折(せきついあっぱくこっせつ)は、骨粗鬆症により骨が脆弱になった高齢者に多い骨折です。

今回は、脊椎圧迫骨折の基礎知識を解説します。

 

病院でも患者さんからよく聞かれる

「コルセットはいつまで着けていればいいの?」

「コルセットを着けていれば骨折しないのですか?」という疑問にすべてお答えします。

背骨の用語をわかりやすく整理した記事がありますので、こちらも参考にしてください。

参考記事)

 

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背骨についておさらい。

横から見た図▼

体幹(たいかん)の背骨は、脊椎(せきつい)と呼ばれる約30個の骨の集まりで構成されています。

それぞれ、

・頸椎(けいつい):7個

・胸椎(きょうつい):12個

・腰椎(ようつい):5個

・仙椎(せんつい):5個

・尾椎(びつい):3~6個

と呼ばれています。

脊椎圧迫骨折の好発部位とその原因

好発部位

脊椎圧迫骨折の好発部位は、第12胸椎〜第1腰椎の移行部が最も多いです。

次いで第7〜8胸椎が多く、第2〜5腰椎と続きます。

骨折の原因

脊椎骨折の原因には、

・骨折のきっかけがある場合

・骨折のきっかけがない場合

があります。

圧迫骨折の原因がある場合

骨折に至る原因には、

・直達骨折(じきたつこっせつ)

・介達骨折(かいたつこっせつ)

の2つがあります。

 

直達骨折とは・・・

直接、骨折部分を打ち付けた場合に起こる骨折のことをいいます。

例えば、

転倒して腰を打ち付けたり、交通事故などで起こるものが直達骨折にあたります。

直達骨折の場合は、棘突起(きょくとっき)の骨折や脊髄損傷(せきずいそんしょう:神経の損傷のことをいう)を伴うほどの重症な骨折もあります。

 

介達骨折とは・・・

「ドスン!」と尻もちをつくことで、脊椎に垂直方向への軸圧(じくあつ)が加わる骨折のことをいいます。

 

高齢者の場合では、圧倒的に介達骨折が多いです。

 

骨粗鬆症を伴っている場合には、椅子に腰掛けただけ、腰を捻っただけでも骨折してしまうことがあります。

 

圧迫骨折の原因がない場合

骨粗鬆症で骨が脆くなっているために、明らかな外傷(原因)がないのに骨折している場合があります。

高齢者では、きっかけなく骨折している場合もよくあります。

なぜか腰が痛く、病院に診察に行くと、「圧迫骨折をしている。」と診断されることもしばしばあります。

 

本人も気づかないくらいの外力で骨折しており、腰の重圧感などのはっきりしない症状として現れます。

高齢者で背中が前のめりに曲がっている人を見かけることは多いと思いますが、これは脊椎が過度に後湾(円背)しているためです。こういった高齢者では、過去に多椎体の骨折を呈していることが多いです。

 

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脊椎圧迫骨折の痛みはいつまで続くの?

脊椎圧迫骨折の症状としては、腰の激痛です。

急性期の場合には、ベッドの上で寝返ったり、ベッドから起き上がるだけでもかなりの疼痛が走ります。

骨折当初は少し動くだけでも激痛が走り、1〜2週間くらいは動けないくらいの痛みがあります。

そのため、安静臥床を余儀なくされるのですが、徐々に痛みは軽減していきます。

骨折から1ヵ月ほど経つと、痛みはかなりマシになっています。

といいますのも、骨が強くなってくる仮骨形成(かこつけいせい)の時期が1ヵ月であるため、それに伴って痛みも軽減していくと考えられます。

 

参考記事)

骨折後にみられる炎症症状とは?血液検査で見るべきポイントは?

脊椎圧迫骨折の治療

脊椎圧迫骨折の治療には、外科的治療と保存的治療があります。

外科的治療

従来は脊椎固定術で骨同士を固定する手術が主流でしたが、最近ではBKP(Baiion  Kyphoplasty)を行う病院も増えています。

BKPとは、重度の椎体骨折や保存治療後の偽関節(骨がくっつかなかった)に対して行われている手術です。

椎体内に風船のついた器具を挿入し、風船を膨らませた後にセメント(短時間で固まる)を注入します。

引用)鳥取市民病院

BKPは平成24年から保険適応となった手術です。

保存的治療

脊椎圧迫骨折の約90%は、保存的治療を行います。

保存的治療では、安静とコルセットでの患部固定が主な方法となります。

コルセットはいつまで着けていればいいの?

引用)大東義肢株式会社

脊椎圧迫骨折後、保存療法を選択する場合、上の写真のようなコルセットと呼ばれる体幹装具が処方されます。

 

仮骨形成が最低でも1ヵ月と考えれば、コルセットの着用時期は最低でも1ヵ月以上ということになります。

仮骨といっても、完全に骨癒合しているわけではありませんので、コルセット着用期間は一般的に1~3ヵ月と言われています。

もちろん、骨折の状態や骨癒合の状態にもよりますので、医師の指示に従いコルセット除去の時期を決定していきます。

特に過度の脊柱後湾で手術をしている場合には、半年間の着用との指示を受ける場合もあります。

コルセットを着けていても注意しておきたい動きは?

コルセットを着けていても骨に対して弱い動きがありますので、簡単に解説します。

 

コルセットはお辞儀をする動き(脊柱屈曲)や背中を反り返る動き(脊柱伸展)、体幹を横に倒す(脊柱側屈)方向への動きを制限しています。

しかし、体幹を捻る(回旋方向)へは動きはほとんど制限していません。

なので、脊椎と骨盤の分離した動きは避けるべきです。

寝返りや後ろを振り返るなどの動きでは、脊柱と骨盤を一本の柱のようなイメージで身体全体を回旋させます。

 

また、ドスンと椅子に座る場合も危険です。

骨に対して垂直への軸圧が加わり、再骨折を起こす可能性があります。

手術をしていれば患部の固定性は強いのですが、その前後の骨が折れてしまうこともあります。

なので、慌てずゆっくりと腰かけることを意識しましょう。

 

関連記事)

脊椎圧迫骨折後の入院生活とリハビリの進め方

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