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転倒予防

病院で行われる身体拘束は転倒予防になるのか!?

投稿日:2016年10月6日 更新日:

僕は、回復期のリハビリ専門の病院に勤務しているのですが、入院している患者さんはホントに様々な症状をもっています。

その割合は高齢者が多く、脳卒中や骨折、それらに加えて認知症をもった患者さんもいます。

認知症をもった患者さんは判断力が低下し、危険行動から転倒に至るケースもあります。

そこで、病院がとる対処法の一つとして、身体拘束といわれるものがあります。

身体拘束とは、患者さんの動きを何かしらの方法で抑制する行為のことをいいます。

もちろん、身体拘束は患者さんには苦痛を伴う行為であり、医療の現場では推奨されていません。

ただ、現場レベルでいうと人員不足や設備の不十分さなどから致し方なく身体拘束をすることもあります。

これが、現状です。

果たして、身体拘束をすることで本当に転倒を防ぐことができるのでしょうか?

そのことについて、詳しく解説していこうと思います。

 

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身体拘束とは

身体拘束は、このように定義されています。

「衣服または綿入り帯等を使用して一時的に該当患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいう」

簡単にいうと、患者さんの自由を奪うということです。

そもそもなぜ身体拘束をするの?

患者さんは様々な医療行為を受けているのですが、認知症などを呈していると医療行為の必要性を患者さんが理解していないことは多いです。

そういった患者さんは、どういう行動をとるかというと、点滴や経管栄養の管を抜いたり、危険にも関わらずベッドから起き上がったり、一人で歩こうとしたりします。他にはろうべん(手で便をいじる)などもあります。

四六時中、その患者さんを見張っているのであれば危険行動を事前に回避することもできますが、現状病院ではそのような手厚い見守りは不可能です。

なので、致し方なく身体拘束をする場合があるのです。

身体拘束とみなされる行為

日本では、2000年に厚生労働省から「身体拘束ゼロ作戦推進会議」が発足し、2001年には身体拘束とみなされる具体例が挙げられました。

身体拘束とみなされる行為をまとめると・・・

●身体を紐などで縛る

●ベッド柵で囲む

●部屋から出られないようにする

●手にミトンや手袋をつける

●つなぎ服を着させる

●薬で抑制する

などがあります。

グレーなもの(身体拘束?)

何をすれば身体拘束にあたるのかについては、はっきりとしたものはないのですが、離床センサーは使い方によっては身体拘束にあたります。

例えば・・・

患者さんが、一人でベッドから起き上がりトイレに行こうとした。そのときにセンサーが鳴って職員が駆け付けた。

そこで「○○さん、危ないですよ。寝ててください」と無理やりベッドに寝かしつける行為は身体拘束にあたります。

ですが、付き添いをしてトイレまで安全に誘導した。これなら身体拘束にあたりません。

要するに、安全の目的で離床センサーを使い、患者さんの欲求を満たすものであれば身体拘束にはならないのです。

マットタイプの離床センサーは、それ自体に患者さんが躓き転倒してしまうことも考えられるので、赤外線センサーのほうが安全性は高いです。

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身体拘束をやむを得ず行う場合

「身体拘束ゼロ作戦推進会議」の中で、生命または身体を保護する目的で緊急やむをえない場合を除き、身体拘束を行ってはいけないとされています。

言い換えれば、緊急の場合は身体拘束はやっても良いということなのですが、ここで注意したいことが3つあります。

「切迫性」「非代償性」「一時性」です。

つまり、生命の危険を脅かす危険があり(切迫性)、行動制限以外で安全を保障できない場合(非代償性)はやむを得ないとしています。ただし、身体拘束は一時的であること(一時性)。

そして、もし身体拘束をする場合は、身体拘束の必要性を本人または家族に説明し、同意を得ることが必要です。

長期間の身体拘束は逆に転倒リスクを高めてしまう

病気を発症して間もない頃や転院などで、慣れない環境に行くと患者さんは混乱することもあります。

落ち着かずに動こうとして、転倒に至ることもあります。実際、入院1ヵ月以内に転倒していることが多いと報告されています。

医療者も、新しく入院してきた患者さんの評価が不十分な場合もあり、過剰に抑制を強いる場合も少なからずあります。

僕も、病院に勤務しているからわかるのですが、ほんとに身体拘束が致し方ないケースもあるにはあります。

それで、転倒リスクを回避できることも実際にあります。

 

ただし、身体拘束はあくまでも一時的であることが大前提です。

なぜかというと、身体の動きを抑制することは活動性の低下を招き、廃用症候群を引き起こすからです。

※廃用症候群とは、長期間動かさないでいることによって生じる障害とされており、関節の拘縮や筋力低下、更には活動意欲の低下までも招いてしまうことをいいます。

 

廃用症候群の詳しい解説はこちら)

 

特に高齢者では、極端な活動性の低下は機能の不可逆性を招く危険もあります。つまり、元に戻らないということです。

そうなった患者さんは、いざ拘束が解けた時に動こうとしても弱っているので益々転倒しやすくなっています。

 

こで大事な役割を担うのが理学療法士や作業療法士です。

とにかく患者さんが一人で安全に動けないことには、「臭いものには蓋をする」かのように長期間の身体拘束を余儀なくされます。

過剰な服薬などで、動きを抑制している場合にはそもそもリハビリにならないので、早期より服薬を中止するタイミングをみていくことも大切です。

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医療者は患者さんが自立する手段を模索する

患者さんが転倒に至るまでの過程には、必ず行動の意図が隠されています。

転倒に至るケースで多いのが排泄です。患者さんの排泄パターンを把握し、先回りした排泄ケアをしていくことでかなりの転倒リスクを減らすこともできます。

理学療法士や作業療法士が入院してきた患者さんに対して考えることは、まずは患者さんの自立支援です。

自立とは、患者さん自身で目的動作が安全に行えることをいいます。

そのための環境調整として、安全に移動しやすいように車椅子を提供したり、ベッドの高さや床頭台の配置を整えたりします。患者さんが気になるものは手の届く位置に置くなどで調整します。

まとめ

人間は自由を求める存在であり、自由は国民に与えられた権利です。

倫理的にも身体拘束は異常な行為なのですが、患者さんの将来的な安全と安心を保証するのであれば、一時的な身体拘束は仕方ない場合もあります。

身体拘束は、本当に患者さんにも苦痛を与える行為なので、厚生労働省が推奨するようにゼロにしていきたいですね。

そのためには、更なる医療福祉の発展とリハビリ職を含めた医療者の知識とスキルアップが必要ではないでしょうか。

参考文献

身体拘束予防ガイドライン

 

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