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羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」が独特すぎて面白かったので感想を書いてみた

投稿日:2016年7月4日 更新日:

「スクラップ・アンド・ビルド」の作者は羽田圭介さんです。

お笑い芸人の又吉さんが「火花」で2015年に芥川賞を受賞しましたが、もう一人の芥川賞がこの羽田圭介さんの小説「スクラップ・アンド・ビルド」です。

 

 

羽田さんはバラエティー番組にも時々出演しており、その独特の個性が人気の秘訣ではないでしょうか?

テレビでは、まぁ口が悪い。

でも、的を得ていて、本質を捉えている人だなぁという印象です。

この「スクラップ・アンド・ビルド」のテーマは「過剰介護による究極の尊厳死」といったものです。

 

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スクラップ・アンド・ビルドとはどんな意味?

老朽化して非効率な工場設備や行政機構を廃棄・廃止して、新しい生産施設・行政機構におきかえることによって、生産設備・行政機構の集中化、効率化などを実現すること。

引用)ウィキペディアより

読み終えた人にはわかると思いますが、なんちゅう例えだと思いますね。

毒舌にも程がありますが、羽田さんらしくて個人的には好きですね。

物語内容とあらすじ

就活中の28歳健介と、その祖父の日常のやり取りを描いた作品です。

祖父は「じいちゃんは早よ死んだらよか」と毎日のように言っていました。

健介は祖父の願いを叶えるために考えたのが「過剰介護による究極の尊厳死」でありました。

この究極の尊厳死というものは、過剰なまでの足し算介護により、祖父の動く機会をすべて奪い、ありとあらゆる身体機能を衰えさせ、寝たきりに追い込むというやり方です。

僕は病院でリハビリの仕事をしているのですが、病院ではこれとは逆のやり方です。患者さんの自立度を促進させるため、患者さんにはできることは極力やってもらうように関わっています。

健介の母も同じような態度をとっていました。

それは「自分の食器は自分で片付けろ」と祖父に言っていたことからも伺えます。

自立を目指すのであれば、このやり方が患者さんのためになります。

しかし健介は、祖父の「じいちゃんは早よ死んだらよか」などの言葉を間に受け、加えて日本の医療費問題なども総合的に捉え(偏った考えではありますが・・・)、過剰介護による尊厳死の手助けをすることを決めました。

話の展開としては、大きな進展はなく物足りなさを感じはしますが、発想は実に面白いと思います。

羽田さんの言葉選びが個人的に好き

そして、何より羽田さんの言葉選びのセンスがすごく面白かったです。

例えば、

「同じ車両の遠くの位置で、ドアによりかかる老男性に気づいた。棒状の手すりにつかまっていることからも、ある程度は身体の支えを必要としている年配者だとわかる。

(省略)

ここで自らの席を老人に譲るのは、優しさだ。しかし、あの老人がまだ元気に生きたいのであれば、席を譲る行為は本人の足腰を弱らせることにほかならない。真に相手のことを思うと席を譲れない」

引用)本書より

と、あります。

ほかならないことはないだろ。笑

いや〜ひねくれてますね〜。

他にも面白い表現をしていて、読んでいて次にどんなセリフが出てくのるかワクワクしながら、あっという間に読み終えました。

 

まとめ

この小説を読んで僕が学んだことは、以下の3つです。

・目先の欲に溺れることなく、最終的にどうなりたいかが大事

・人の言うことは、すべてが本心ではない

・なんだかんだ言っても、人間は生きる方向に向かっている

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