昨今はマラソンブームの嵐が巻き起こっていますね。
前年度の応募倍率でいえば、大阪マラソンは約5倍、東京マラソンはなんと約10倍もあったそうです。
なにを隠そう、僕もマラソンは趣味の一つであります。
ちなみに昨年度の大阪マラソンにも参加しました。とてつもなくしんどかったんですが、やっぱりいい思い出になりますね。
また参加を目指して練習していきたいと考えているところです。
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マラソンの良いところ
若い頃(今も若いですが・・・)ほど、俊敏に動けませんし、怪我も怖い・・・でも運動は好きだし、何かやりたいなぁ~
そこで、たどり着いたのがマラソンでした。
マラソンの良いところといえば、ウェアとシューズさえあればどこでも簡単に始められるところです。
場所を選びませんし、ただ走るだけの単純作業です。
全速力でもなく、程よく息がはずむ、リズムにのればいつまでも走れる気がしてしまうものです。
今回のテーマであるこの腸脛靭帯炎は初心者のマラソンランナーになりやすい怪我の一つです。
しかも長引きやすく再発もしやすい嫌な面があるめんどくさい怪我です。
実は僕もこのめんどくさい腸脛靭帯炎になったことがあり、練習を一時中断することがありました。
適切な判断と対処ができれば完治は可能ですし、予防も可能です。
正しい知識と対処方法を身につけ、マラソンを楽しみましょう。
腸脛靭帯とは
起始
前方は大腿筋膜張筋、後方は大殿筋の筋膜として腸骨稜から付着しています。
停止
脛骨外側顆(Gardy結節)に付着し、外側膝蓋支帯や外側側副靭帯とも連結しています。
走行
下方へ走行しており、外側大腿筋膜中隔で外側広筋と大腿二頭筋とを区別しています。
役割
下腿の外旋で弛緩、内旋で緊張します。
外側膝蓋支帯とも連結しており、膝蓋骨の安定化にも関与しています。
また、外側側副靭帯にも付着していることから膝関節の外側支持靭帯としての役割もあります。
腸脛靭帯炎の機序と症状
機序
マラソンや自転車競技などをしていて、初めは痛くなかったけども、走ったり自転車を漕いでいると途中から膝関節近くの外側部分が痛くなってしまう。
休憩すれば痛みは収まるけど、運動を再開するとまた痛み出すという場合は、腸脛靭帯炎の可能性が高いです。
腸脛靭帯炎は、腸脛靭帯と大腿骨外側上顆の骨隆起とが擦れることで炎症症状が起こると考えられています。
引用)https://tiryo.net/tyoukeijintaien.html
症状
通常、軽度であれば歩いたりする際には問題ないですが、走り始めてしばらくすると膝関節近くの外側部分が痛くなって走ることができなくなってしまいます。
僕もなったことがあるのでわかりますが、本当に走れなくなります。1日や2日休んでも全然治らないし、ぶり返しやすいやっかいな症状です。
初発症状としては、大腿外側部が突っ張るなぁっていう違和感程度ですが、徐々に痛みに変わってきます。
しかも初めは、1Km位で痛みが出て、歩いてまた走り出してしばらくすると痛みがでてくる感じです。
思い切って、1週間くらい休むんですが、また突っ張りがきて痛みに変わります。
練習したいのに、これは焦ります。ちなみに僕は3週間の完全安静で完治しました。
腸脛靭帯炎の簡易テスト
腸脛靭帯炎の簡易テストを2つご紹介します。
grasping test
大腿外側上顆の近位で腸脛靭帯を圧迫します(簡単にいうと痛くなるところを指で押してください)。その状態で、膝関節を自動的に屈伸します。
膝関節の近くの外側部分に疼痛がでれば陽性であり、腸脛靭帯炎の可能性があります。
squatting test
toe out(正面に対してつま先が外側を向くこと)では、痛みはないが、toe in(正面に対してつま先が内側を向くこと)のにする痛みが出る場合は陽性です。
これは、toe inにより下腿が内旋すると、腸脛靭帯が緊張位になり、大腿骨外側上顆への摩擦が増すために起こります。
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腸脛靭帯炎の改善方法
すでに症状がでている場合はとにかく安静にするのが一番治りやすいです。
熱感や疼痛がある場合は、15分程度のアイシングが良いです。
また、腸脛靭帯は隣接する筋肉とも連結しているため、腸脛靭帯とそれに隣接する筋肉をしっかりストレッチしておくことがとても重要です。
自分でできる簡単で効果的なストレッチをご紹介します。
大腿筋膜張筋のストレッチ
筋肉は、上の「腸脛靭帯とは」をみてください。
ストレッチ
脚を伸展位にして内側に伸ばします。体幹・骨盤は必ず起こすか少し後ろに反るくらいのほうが効果的です。
さらに反対側に体幹を倒すと外腹斜筋との筋連結でよりストレッチされます。
※図は右脚の大腿筋膜腸筋をストレッチしています。
腸脛靭帯炎を防ぐ5つのこと
腸脛靭帯炎を発症してしまう多くはマラソン初心者であります。
以下の5つのことをしっかり実践すれば、腸脛靭帯炎を予防することができます。
1.ストレッチ
痛くて走ることができない場合は、とにかく安静にしたほうがいいです。
安静にしつつ、上記で紹介したストレッチを実施してください。
2.筋力増強訓練
競技を始めて、まだしっかり筋肉がついていないと、一か所(腸脛靭帯)に負荷がかかってしまうために腸脛靭帯炎を引き起こします。
個別の筋肉を一つ一つ鍛えるのもよいですが、全身の筋肉を均等に鍛えるほうがより実践的かつ効果的です。
すべてをお伝えするのは難しいので、代表的なものを記載しておきます。
●スクワット(大殿筋、大腿四頭筋)
●サイドランジ(大腿四頭筋や大殿筋・中殿筋、長腓骨筋など)
●爪先立ち(下腿三頭筋)
●タオルギャザー(足趾屈筋群)
●ハンド・ニー:四つ這いから片手・片足を上げておくトレーニング(体幹コアマッスル)
3.ウォーミングアップは省かずしっかり行う
マラソンってこと自体ウォーミングアップっぽいのでついつい省いてしまうのですが、
筋肉がまだしっかり働いていない状態で、いきなり長距離を走るのは腸脛靭帯炎だけでなく、その他のスポーツ障害も誘発する恐れがあります。
●腿上げ
●軽くジャンプする
など、とにかく走り出す前にしっかりと筋肉の準備状態を整えておきましょう。
4.足部回内(踵骨回内)の修正
足部の回内は下腿の内旋の運動連鎖が生じます。それにより腸脛靭帯を緊張させ痛みを誘発してしまいます。
ミズノのウェーブインスパイヤーがお勧めです。ちなみに僕もこのシリーズを愛用しています。
このシリーズは足部内側部分が強く、足部が回内(踵骨回内)するのを防いでくれるシューズです。
5.靴紐の正しい結び方
①まず、踵に向けてトンっトンっと軽く踏み、踵をフィットさせます。
②紐は両端から上部に向けて引き上げます。これにより、アッパー(上部)部分がしっかりフィットします。
③紐は足首までしっかり止めたほうが、足首の余計な動きを止めることができます。
※注意:きつく結びすぎると血液の循環が悪くなるので注意してください。
まとめ
マラソンは、誰でもどこでも簡単に始められるスポーツであり、僕もマラソンの楽しさを十分理解しています。
マラソンもスポーツの一種ですので、怪我をする可能性もあります。
マラソンを楽しむためには、怪我の理解と適切な対処も一緒に学んでおくことが大切です。
マラソン初心者におススメのグッズ一式を紹介しています。