転倒に至った場合、骨粗鬆症の場合は骨折に至る危険性が高くなります。
骨折予防にはビタミンDが大切なのですが、どのようにして補充していけば良いのでしょうか。
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骨粗鬆症の予防にはビタミンDが大事
人間の体はビタミンを作り出すことはできませんが、ビタミンDだけは日光を浴びることで体内で作られることが知られています。
日光の紫外線にあたることで、皮膚を構成する脂肪酸(デヒドロコレステロール:7DHC)からビタミンDが作られます。
そして、ビタミンDは小腸からカルシウムやリンが吸収しやすくするのを助けています。
カルシウムやリンは、歯や骨を作ったり、神経や筋、脳などのエネルギー代謝にも関わっています。
ビタミンDやカルシウム、リンなどが不足すると、子供ではくる病、成人では骨軟化症や成人病を引き起こす可能性があります。
骨が弱くなってしまうので、少しの衝撃で骨折しやすくなってしまいます。
どのくらいの時間、日光に浴びるとビタミンDが作られるの?
ビタミンDが作られるのが、1日に1回、15~30分とされています。無理なら最低3日に1回は必要です。
夏場は15分程度でも良いそうですが、熱中症や脱水などのリスクもありますので、夏場長時間の直射日光は危険なこともあります。
紫外線の弱い12月の正午では、那覇8分、茨城県22分、札幌76分の日光浴でビタミンDが生成されるとの報告もあります。
当然、季節や時間、緯度などでビタミンDの生成量は変化します。
紫外線を浴びすぎると癌になるのか?
確かに皮膚癌の要因の1つではありますが、日本ではそれほど多くありません。
食事によるビタミンDやカルシウムの摂取と合わせて日光によるビタミンDの生成は、大腸癌を予防するとの報告もあります。
特に女性は、日焼け予防のため日光を避けることが多いと思います。
そのためかはわかりませんが、乳癌に次いで女性の大腸癌は2番目に多く、死亡率は大腸癌がトップです。
日光に浴びるといろいろ良いことがある
日光を浴びることで、幸せホルモンともいわれる「セロトニン」が脳内から分泌されます。
セロトニンは、喜び・快楽を司るドーパミンや恐怖・興奮を司るノルアドレナリンなどの働きをコントロールして、気持ちを安定される働きがあります。
セロトニンが分泌されることで、精神が安定し、ストレス解消になります。
また、セロトニンはメラトニンといわれる眠り薬のようなホルモンに拮抗して働きます。
つまり、朝の適度な日光浴はメラトニンを抑制し、逆にセロトニンが分泌されて体を目覚めさせる効果があります。
他にも、セロトニンは記憶や学習効果もあることがわかっています。
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まとめ
ビタミンやホルモンの話を簡単に書いてみました。
高齢になってくると、活動量が低下して外出機会が減ってきます。
特に入院中では、外出する機会が制限されてきます。また、入院していることで様々なストレスも抱えています。
患者さんを屋外歩行や車いすの散歩などに誘うと「気分が晴れる」と喜んでくれる患者さんが多くいます。
理学療法士としては、ただ横について歩いたり、車いすを押しているだけのように見えるのでちょっと専門性が疑われる光景ではありますが、日光に浴びることで、とても良い効果があるということをお伝えしたいと思います。