理学療法士になるには実習が設けられています。
理学療法士である私ももちろん実習は経験していますし、臨床に出てからも多くの実習生を担当してきました。私が実習生の頃は要領の良い方ではなく、苦労したことをよく覚えています。
ここでは、私の実習生時代の経験や私が指導者になった立場から、実習に向けて躓きやすい点や準備についてお伝えします。
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実習はとにかく時間がない
1~2ヶ月の実習で理学療法の流れを経験しなければなりません。実習ではレポートを課せられる場合がほとんどですが、パソコンの前でフリーズしている時間があれば勿体ないです。
実習の最初1週間くらいは寝不足でも大丈夫でしょうが、後半でしっぺ返しが来ます。
「2~3時間しか寝ていない」などと武勇伝気味に語る先輩もいますが、非効率と言わざるを得ません。
睡眠不足がどれだけ心身の健康を害し、集中力を欠くかを考えると睡眠はしっかり確保しなければいけないことがわかります。
私も最初の臨床実習で睡眠時間が毎日3時間程度だったときは、泣きたくなるほど辛かったです。次が最後の実習でしたが、反省点を活かして最低でも6時間は寝るようにしていました。そうすることで、日中の集中力は保たれていました。
私のブログでは実習生に役立つ評価や治療方法をまとめています。私の経験も踏まえた内容ですので臨床の実態を知ることができます。
考察がまとまらないときは素直に質問してみる
実習では患者を担当するはずですが、患者の評価や考察がうまくまとまらないことも多いでしょう。
「どう考えて良いのかわからない」と一人で悩み続ける時間が特に勿体ないです。
わからないことは自分で調べて思考を整理することも大切ですが、要領を掴んでいないうちは時間がかかって仕方がありません。
考えがまとまらないときのために指導者がいるのです。
考察が前に進まないなら「どのように考えていけば良いのでしょうか?」と考え方を質問してみるのも良いでしょう。
指導者の指導方針やキャラクターにもよりますが、親切な人なら教えてくれます。そこで得た知識を吸収していけば良いので、真似してはいけないなんてことはありません。
実習で求められている内容を理解しておく
私も実習生を担当することが多いですが、「何を勉強すれば良いですか?」と質問を受けることが多いです。
いつも回答していることですが、実習に向けて普段学校で習っていること以外で特に集中的に勉強しておくことはありません。
ただし、実習では何を求められているのかを理解しておくことが大切です。
評価実習であれば「仮説から適切に検査が実施でき、考察ができること」。
臨床実習であれば「評価から治療を立案し、再評価にて治療効果の判定や治療内容を変更すること」などが求められるでしょう。
このように、実習における大まかな流れを理解しておくことが大切です。
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レポートの書き方を知っておく
レポート作成には多くの時間を要します。
少しでも自宅での作業時間を短縮するために予めレポートの書式を作っておくことをおすすめします。
先輩や同期がどのようにレポートを作成するのか見ておきましょう。
とにかくなるべき睡眠時間を確保するように工夫しましょう。
評価方法を理解し実践できるようにしておく
評価実習以降は、検査・測定ができて当たり前となります。
患者によっては測定できない検査もあります。
その検査は何を目的に実施するのかを考えると別の方法を実施することも考えられます。
私が実習生を担当してきた経験から検査・測定が正しく実施できていない実習生が意外と多いです。中には検査用具を忘れてくる人もいます。
実習地にも常備されているはずですが、やる気がないようにも受け止められかねません。
ゴニオメーターや打腱器、メジャーなどの検査機器は自分で用意しておきましょう。
また、評価の意義目的も答えられるようにしておきましょう。
「深部腱反射は何のためにするのか?」「片麻痺機能検査は何を診ているのか?」などは答えられるようにしておきましょう。
「積極性がない」と言われないためにすること
実習中に指導者から「積極性がない」と言われる人もいるかもしれません。私も実習中によく言われていました。
ところで、この積極性とは一体何なのでしょうか?
質問に来ないから積極性がないという指導者もいますが、私の経験上質問を全くしない実習生はほとんどいません。
質問をしているのになぜか積極性がないように思われてしまうのです。
おそらく理学療法にとって大事な質問ができていないからと考えられます。
少しでも積極的な行動が取れるように「自分が働くとしたらどうする?」「何を知っておかなければいけない?」「自分ならこうする」と考えみましょう。
自ずとやるべきことが見えてきて、積極性があるように映ります。
わからないことは「わからない」とはっきり言う
わからないことを学びにいくのが実習です。
とはいえ調べもせずに「わかりません」と言ってしまうと諦めているように見られる恐れがあります。
「ここまでは調べたけれど、これ以上が理解できませんでした」と調べた姿勢を見せましょう。
また、苦手なことは明確にしておくことも大切です。
- 歩行介助をしたことがない
- トイレ介助ができない
- 脳卒中の評価の流れがわからない
など指導者と率直に問題点を共有しておきましょう。実習は普段できないことを経験する場です。学校では学べないことを一つでも多く学ぶ姿勢で実習に臨むようにしてみてください。
節度のある行動を心掛けよう
実習生とはいえ、病院や施設に居る以上はそこの職員と見なされます。患者や来院者への言葉遣いや態度には十分配慮しましょう。
実習生同士での必要以上の私語、喫煙などの行動は印象が悪くなるかもしれません。
また、患者情報の扱いには十分に気を付けてください。今はネットが普及しているため認識が甘くなりがちですが、カルテ情報などの個人情報は自宅には持ち帰らないようにしましょう。