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高次脳機能障害

アンケート調査より理学・作業療法士の8割は「高次脳機能障害が苦手」と回答。その理由と対策とは?

投稿日:2017年6月7日 更新日:

Twitterで理学・作業療法士の人(学生も含む)に、高次脳機能障害の理解度をアンケート調査してみました。

このアンケートをとろうと思った経緯ですが、近々僕の勤める病院で高次脳機能障害の勉強会でもしようかと思っていて、1〜3年目の人たちに「高次脳機能障害って得意?苦手?」と聞いてまわっていたんです。

すると、ほとんどの人が苦手だと言っていました。

そういえば、僕も3年目くらいまでは高次脳機能障害がさっぱりわからずに患者さんを診ていたような気がします。

もしかして世間の理学・作業療法士の人たちもほとんどが高次脳機能障害が苦手なんじゃないかと思ってアンケートをとってみたわけです。

 

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理学・作業療法士の8割は高次脳機能障害が苦手と感じている

アンケートの詳細と結果は以下の通りです。

結果は、80%の人が理解が乏し、苦手と感じていることがわかりました。

やっぱり予想していた通りでした。

 

あなたは高次脳機能障害について、どの程度理解しているでしょうか?

理学・作業療法士も高次脳機能障害を知っておくべき理由

高次脳機能障害って、言語聴覚士(ST)の領域じゃね?って思っている人も多いかもしれませんね。

高次脳機能障害のリハビリは、机上でやる学習課題をイメージするかもしれませんが、それはあくまでも直接的アプローチの一部にすぎません。

直接的アプローチとは、苦手なことを直接的・集中的にアプローチすることをいいます。

わかりやすく言えば、地頭を鍛えるのが直接的アプローチになります。

要するに、地頭を良くしておけば、いろんなことの応用が効くよねってことです。

でも、例えばですが算数が得意だからといって、必ずしも仕事ができるわけではないですよね。

もちろん、地頭が良い人に仕事ができる人が多いのも事実ですが、算数が苦手な人でも仕事ができる人もたくさんいます。

それと同じことで、机上課題で成績を良くしても、日常生活でそれが活きるとは限らないのです。

 

何が言いたいかといいますと、机上課題だけやっていても、料理の段取りがスムーズにできるようになるわけではないし、物品の使用がうまくできるようになるわけではないです。

高次脳機能障害を呈している方の評価をする際には、必ず日常生活動作を見なければいけません。

日常生活で何ができないのか、どんな現象が起きているのかを実際に確かめることが最も大切なのです。

 

では、日常生活動作を見る専門家は誰なのでしょうか?

 

理学療法士や作業療法士ですよね。

一番高次脳機能障害を理解しているは言語聴覚士かもしれませんが、日常生活まで細かく見れるわけではないです。言語聴覚士は、日常生活動作に関してはほぼ専門外です。あまり学校でも習わないので。

 

高次脳機能障害は、必ず日常生活動作とリンクさせて見ていく必要があるのに、高次脳機能障害と日常生活動作の両方を得意とする専門家がいないんですよね。

 

理学・作業療法士は、日常生活動作を見るのは得意だけど、高次脳機能障害は苦手。

言語聴覚士は、高次脳機能障害は得意だけど、日常生活動作を見るのは苦手。

 

高次脳機能訓練士みたいな資格はないですし、最も高次脳機能障害を理解度しておかないといけない理学・作業療法士の8割もが苦手としているのはなかなかヤバイですね。

何とか改善しないといけないなぁと思います。

なぜ、こんなにも高次脳機能障害が苦手と感じているのか?

おそらくですが、高次脳機能障害を苦手としているのは臨床経験3年目以下の人たちじゃないかと思います。

アンケートで検証したら、予想通りになりそうですが、何回もアンケートをとるのもやらしいのでやめておきます。

 

なぜ苦手と感じているかですが、理由は2つあると僕は考えています。

1つは、脳科学は解明されていないことばかりであること

2つ目は、高次脳機能障害の解釈が難しいこと(書籍によっては書いていることがバラバラ)

が挙げられます。

 

アンケート調査では、4%(約10/249人)の人が「理解している自信がある」と回答しました。

自己評価なので理解度には個人差があるでしょうが、自信があると回答できるのは正直言ってすごいです。

 

この人たちは、何を理解しているかを考えてみましたが、今現在解明されていること(わかっていること)をある程度網羅しているのだと思います。

そして、わからないこともある程度何なのかも理解しているのではないでしょうか。

解明されている(わかっている)範囲の中で、自分なりに解釈して、臨床でその知識を活かしているのだと推測されます。

 

また、16%(約40/249人)の人が「そこそこ理解していると回答しています」が、ここの層の人たちもわかる範囲のことを自分なりに解釈して、ある程度は高次脳機能障害を網羅しているのではないでしょうか。

解釈はできているけど、それでも少し自信がないといった感じなのかなと思います。

高次脳機能障害に関しては、僕もブログでいくつか取り上げて解説していますので、僕がこのアンケートに答えるなら「そこそこ理解している」と回答するでしょうね。

その理由はまだまだ解明されていないこともあり、全てを理解しているとは言えないからです。

ですが、わかっている範囲で僕なりに解釈はできているので、そこそこ理解していると認識しております。

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高次脳機能障害が苦手な8割の人が理解度を高めるには?

この問題をどのように解決していけば良いのでしょうか?

まず、脳科学の解明されていないことを掘り下げようとするのは、かなりレベルが高いことですので、最初からここを目指すのは難しいです。

では、苦手な人は何をすれば良いのかですが、解釈の仕方を知ることです。

例えば、

失行とは何なのか?

失認とは何なのか?

を1つずつ解釈し、整理するのです。

ここがまずは基礎になり、高次脳機能障害を考える上での軸になります。

小難しい参考書を読むのも、参考書をいくつも読むのも後回しで良いんです。

まずは解釈の仕方を知ること。軸を作るのが先です。

 

このブログでも、高次脳機能障害に関しては網羅されています。

・高次脳機能障害のそれぞれの定義

・症状の種類

・メカニズム

・病巣

・原因

・検査及び評価

・リハビリ方法

を解釈しやすいように記載しています。

 

こちら↓を参考にしてください。

理学・作業療法士のために高次脳機能障害を解説

(まだ書いてない症状もありますので、随時アップしていきます)

 

高次脳機能障害に関する参考書を選ぶ際には、簡単にわかりやすく書かれているものが良いです。

こちら↓は、高次脳機能障害を理解するのにイチオシの本ですので、かなりおススメです。

176ページほどですので、そんなに分厚くもないです。

 

こちらは専門書という感じですが、じっくり読むととてもわかりやすい書籍ですので、こちらもおススメです。

さいごに。アンケートにご協力してくださり、ありがとうございました。

3日間で249人の方々がアンケートにご協力してくださりました。ありがとうございました。

皆様のお陰で、高次脳機能障害の理解度が浮き彫りになって良かったなと感じています。

 

外来リハや腰痛などを専門に扱っている療法士では、あまり高次脳機能障害は勉強していなくても良いかもしれませんね。

ですが、病院や施設、通所リハ、訪問リハに従事している療法士は高次脳機能障害は知っておいたほうが良いと思います。

始めのほうにも書いていますが、高次脳機能障害は日常生活とリンクして評価しないといけません。

机上課題の成績が良くなっても、それが日常生活で活かされないと意味はないからです。

最も注目すべきは、日常生活動作で高次脳機能障害がどう出るかです。

日常生活を見る専門家である理学療法士、作業療法士の人も是非高次脳機能障害の理解を深めていきましょう。

 

理学・作業療法士のために高次脳機能障害を解説

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