理学療法

リハビリでよく使う歩行器(車)、シルバーカーの種類と使い方。どんな人に適応?選び方を理学療法士が解説

投稿日:2017年5月25日 更新日:

歩行器、歩行車、シルバーカーは杖とともに、歩行機能が低下している人が使用する歩行補助具の一種です。

これらの歩行補助具は、両手を使用することで高い安定性が確保されます。

その種類は様々ありますが、どんな人に適応なのかは理学療法士などの専門家の判断で決定する場合が多いです。

今回は、歩行器、歩行車、シルバーカーの種類や使い方、選び方までを解説していきます。

 

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歩行器、歩行車、シルバーカーの基本構造と使用用途

名称に関してなのですが、歩行器や歩行車、シルバーカーはきっちりと呼び方が決まっているわけではありません。

例えば、歩行器でも車輪が付いているタイプのものを歩行器と呼んだり、歩行車と呼んだりもします。

ただ、室内用のものを歩行器と呼ぶことが多く、屋外で使用するものを歩行車やシルバーカーと呼ぶことが多いようです。

(あくまでも僕が調べた限りの話ですが・・・)

歩行器の基本構造

こちら↓の歩行器は、フレームがあり4本の支柱で構成されています。「コ」の字に組み立てられ、その一部分が握り手となっています。

固定型歩行器▼

アクションジャパン 【非課税】立ち上がり歩行器(コンパクト) C2021CW(シルバー)

前脚や後脚の部分がゴム製のキャップが付いており、床に接地すると安定する構造になっています。

また、前脚または四脚に車輪が付いたタイプのものまであります。

 

前腕支持型の四輪歩行器は、前腕受けパットに上肢を乗せる構造になっています。3本または4本の支柱からなるフレームの先に車輪が付いています。

前腕支持型歩行器▼

【非課税】星光医療器製作所 歩行補助器 (アルコー3型) 3M型

歩行車の基本構造

歩行車は、握りが縦型または「ハ」の字型になっており、両上肢でしっかり身体を支えられる構造になっています。

歩行車▼

島製作所 歩行車 シンフォニー ブルー

休憩用の椅子が付いていたり、荷物入れのカゴ付いているものが多いです。

握りにはブレーキが付いています。ブレーキした状態でロックさせることもでき、その場で椅子に座って休憩することができます。

シルバーカーの基本構造

歩行車とほとんど構造は同じですが、握りの部分が横一文字になっています。

シルバーカーは最も普及しているタイプの歩行補助具です。

シルバーカー▼

幸和製作所 アルミ製シルバーカー PW298 ネイビー スタンダードタイプ

歩行器、歩行車、シルバーカーの使用用途

歩行器は病院や施設で使われることが多く、フラットなフロアの家では自宅内で使用している人もいます。

また、歩行器はリハビリの歩行練習の途中段階でも使用されます。

歩行車やシルバーカーは、室内から屋外まで幅広く使用できますが、主には屋外用として使われることが多いです。

リハビリをしていく中で、歩行器を使用し歩行能力が上がれば、屋外歩行は歩行車やシルバーカーを使用することになります。

歩行器、歩行車、シルバーカーの種類

リハビリや日常生活で使われる歩行器、歩行車、シルバーカーには以下の6種類のタイプがあります。

・固定型歩行器

・交互型歩行器

・車輪付き(キャスター付き)歩行器

・前腕支持型歩行器

・歩行車

・シルバーカー

 

以下にそれぞれの機能と適応を記載しています。

固定型歩行器

歩行補助具の中でも安定性の高い歩行器になります。

フレームの先がゴム製のもので、きちんと四脚を床に接地させれば、非常に安定感のある歩行器になります。

ただ、移動するには歩行器を持ち上げる必要があります。

適応

片足のみで体重を支えるのが難しい人

立位バランスが不安定な人

使い方

歩行器を先に持ち上げ、患側、健側の3動作で進行していきます。

引用画像)

交互型歩行器

固定型歩行器と形は似ていますが、交互型歩行器は左右のフレームが分離して動く構造になっています。

 

左右交互のフレームを前方に進めていくため、固定型歩行器のように一度持ち上げる必要はありません。

常にフレームが床に接地しているため、より安定した歩行が可能になります。

ただ、左右フレームの移動距離はわずかなので、かなり歩行速度が遅くなってしまうことと、使い方が難しいといったデメリットがあります。

適応

両足だけでは立位バランスが不良な人

加えて、上肢機能に比較的問題がない人

使い方

右フレーム、左フレーム、右足、左足の4動作。

もしくは、右フレームと左足、左フレームと右足の2動作歩行がありますが、かなり難しいので歩行指導は必要です。

引用画像)

車輪付き(キャスター付き)歩行器

固定型歩行器に前輪または四輪が付いたキャスター付きの歩行器になります。

前輪と四輪タイプのものがありますが、使い方は同じです。

安定性を求めるなら前輪タイプ、自由度を求めるなら四輪タイプを選びと良いです。

 

前輪タイプ▼

 

四輪タイプ▼

適応

片足のみで体重を支えるのが難しい人

加えて、上肢の力が弱く歩行器を持ち上げることが難しい人

使い方

軽く歩行器を浮かし、歩行器を前方へ運びます。

上肢で握り手を床に強く押し付け、ストッパーで歩行器を安定させてから、患側、健側の順で足を運びます。

引用画像)

前腕支持型歩行器

前腕受けパットに前腕を乗せて体重を預けながら歩行ができるタイプのものです。

 

前腕支持型歩行器は、後輪が固定輪のタイプや遊動タイプのものがあります。

固定輪のタイプは横方向への揺れを防止してくれます。

遊動タイプは横方向への揺れは防止できませんが、その分小回りがよく効きます。

一般的なものではブレーキが付いていないため、着座の際に後方へ転倒しそうになるので使い方をよく指導する必要があります。

 

こちら↓は、ブレーキが付いてるタイプのものです。

適応

ある程度足の支えが可能な人

リウマチで手指の変形がある人

手の痛みがある人

手に荷重がかけられない人

使い方

固定型歩行器などに比べると使用方法は簡単で、前腕受けパットに前腕を乗せて歩くだけです。

ある程度歩行器に体重を預け、歩行器を前に押しながら足を運んでいきます。

※歩行器を身体に引っ張るような姿勢になると前に進むことができません。

歩行車

歩行車は主には屋外で使用されますが、自宅内で使用することもあります。

握り手は縦型または「ハ」の字型になっており、上肢で身体をしっかり支えることができます。

また、車軸やフレームがないので、歩く際に足がぶつかったりせず、背筋を伸ばして大股で歩くことができます。

 

車輪が大きい方が安定性は高く、多少の凸凹道でも昇降は可能です。

ただ、傾斜があるところでは歩行車が流されてしまうことがあります。

そういったことは転倒にも繋がりやすく、最近では抑速ブレーキが内臓された歩行車も販売されています。

抑速ブレーキが内臓された歩行車▼

 

上肢の力が弱い人は、前腕で支持ができる歩行車もあります。

適応

足の力はそこそこあるが、バランス能力の低い人

加えて、屋外をよく歩く人

使い方

握り手にはブレーキが付いており、手動でブレーキをかけることができます。

また、ブレーキをロックの状態にすれば歩行車の車輪が固定されますので、椅子に腰かけて休憩することもできます。

荷物を入れるカゴや袋が付いてるので、買い物などにも便利です。

折りたたみ式のタイプが多く、車に積むことも可能です。ただ、重量のある歩行車を一人で担ぎ上げることは難しいこともあり、他の人の手助けは必要になります。

シルバーカー

歩行車との違いは、握り手が横一文字の構造になっている点と椅子が前方にある点です。

 

握り手が縦または「ハ」の字になった歩行車型のシルバーカーもあります。

歩行車型シルバーカー▼

 

シルバーカーのデメリットですが、歩く際に後輪の車軸やフレームが足にぶつかるため、それを避けようと上体を前傾させることが多くみられます。

高齢者で背中が丸くなっている原因の一つにシルバーカーの常用が挙げられます。

そうならないためには、歩行車を選ぶかシルバーカーでも握り手が縦型か「ハ」の字型の歩行車型シルバーカーを選ぶと良いです。

適応

比較的足の筋力があり、バランス能力が保たれている人

よく屋外を歩く人

使い方

歩行車とほぼ同じ。

椅子が前に付いているため、前方に回りこむ必要があります。

シルバーカーは介護保険適応外

歩行器や歩行車は介護保険が適応になるのですが、シルバーカーのように握り手が横一文字のタイプのものは介護保険適応外となります。

シルバーカーは介護用品店ではなく、生活用品店で見かけることが多いと思います。

介護用品のカタログなどを見てみるとわかりますが、すべて握りが縦型または「ハ」の字型になっている歩行車しか載っていません。

理由としては、歩行車は握り手部分が身体中心の外側にくることで安定性が増すからです。

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歩行器、歩行車、シルバーカーの種類と適応。選び方 まとめ

歩行器、歩行車、シルバーカーの選び方を表にまとめました。

種類 適応
固定型歩行器 片足のみで体重を支えるのが難しい人

立位バランスが不安定な人

交互型歩行器 両足だけでは立位バランスが不良な人

加えて、上肢機能に比較的問題がない人

車輪付き(キャスター付き)歩行器 片足のみで体重を支えるのが難しい人

加えて、上肢の力が弱く歩行器を持ち上げることが難しい人

前腕支持型歩行器 ある程度足の支えが可能な人

リウマチで手指の変形

手の痛みがある人

手に荷重がかけられない人

歩行車 足の力はそこそこあるが、バランス能力の低い人

加えて、屋外をよく歩く人

シルバーカー 比較的足の筋力があり、バランス能力が保たれている人

よく屋外を歩く人

 

歩行をするのが一人では難しくなったときに、第一に選択する歩行補助具は杖になりますが、それでも歩行が難しい場合には歩行器、歩行車、シルバーカーが選択されます。

歩行器などは両手で支えることができるので、足の骨折や高齢者でバランス機能が低下してきた人などには有効な歩行補助具です。

今回ご紹介したことを参考に、どんな人にどんなものが良いのかを考えながら選定していくと良いでしょう。

シルバーカー以外は介護保険が適応になりますので、レンタルで使ってみて、使い心地を試してみるのも良いかと思います。

引用画像)

松原勝美:移動補助具〔第2版〕杖・松葉杖・歩行器・車椅子p176.2009.4.

 

杖の種類と適応。杖の選び方はこちら)

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