リハビリ評価

運動麻痺とは。種類や評価方法をわかりやすく解説

投稿日:2017年4月30日 更新日:

運動麻痺と言っても、脳血管障害による片麻痺から脊髄損傷による四肢麻痺など、原因や程度のよって症状は異なります。

今回は、運動麻痺の種類や評価の使い分けをわかりやすく解説していきます。

 

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運動麻痺の定義

運動麻痺とは「脳の運動中枢から筋線維に至るどこかに障害があって、随意的な運動ができない状態」をいいます。

運動神経には、大きく分けて上位ニューロン障害と下位ニューロン障害があります。

前者は中枢性麻痺、後者は末梢性麻痺をいいます。

上位ニューロンとは

錐体路障害(皮質脊髄路)のことを指しており、上位ニューロン障害とは以下の経路のどこかに障害が起きている状態をいいます。

大脳皮質→内包後脚→中脳大脳脚→橋→延髄錐体で交差→7~8割は外側皮質脊髄路(側索を通る)、残りは前皮質脊髄路(前索を通る)→前角細胞

下位ニューロンとは

脊髄前角細胞から筋に至るまでの経路で障害された場合に下位ニューロン障害が起きます。

下位ニューロンとは、α運動ニューロンとも言われることがあり、代表的な麻痺は以下になります。

●橈骨神経麻痺

●正中神経麻痺

●尺骨神経麻痺

●腓骨神経麻痺

●脛骨神経麻痺

運動麻痺の種類

運動麻痺はその見た目上から以下の4つに大別され、原因を診断する際に重要なります。

●単麻痺

●片麻痺

●対麻痺

●四肢麻痺

単麻痺

単麻痺とは、上下肢のうち一肢だけが麻痺している状態をいいます。

単麻痺は、さらに筋萎縮のないもの、あるものに分けられます。

筋萎縮のないもの

主には上位ニューロンの障害によるものであり、原因疾患としては脳血管障害や脳腫瘍が多いです。

臨床的に筋萎縮を認めはしますが、あっても廃用症候群の筋萎縮です。

筋萎縮のあるもの

脊髄前角、前根、末梢神経障害などの下位ニューロン障害によるもので、その原因疾患は多様となります。

片麻痺

身体の一側上下肢にみられる麻痺のことをいいます。

臨床上は片麻痺が最も多くみられます。

脳血管障害による内包付近の障害が多く、大脳や脳幹、脊髄の障害でも起こります。

また、脳幹の障害では一側上下肢の麻痺と反対側の脳神経麻痺を伴う交差性片麻痺も呈す場合があります。

対麻痺

両下肢の麻痺のことをいい、脊髄障害(主に胸髄以下)の損傷により起こります。

また、対麻痺は痙性対麻痺弛緩性対麻痺に分けれます。

痙性対麻痺

痙性とは中枢性に筋緊張が亢進した状態をいい、痙性対麻痺とは上位ニューロンの障害により両下肢に麻痺が生じているものを指します。

筋緊張が亢進していて尚且つ両側性にみられる痙性対麻痺は、両側の脊髄前角細胞より中枢の障害で起こります。

弛緩性対麻痺

弛緩性対麻痺とは、下位ニューロンが両側性に障害されたものを指します。

原因疾患としては、腰髄の脊髄損傷や脊髄血管障害、多発性筋炎(ギランバレー症候群)などがあります。

しかし、上位ニューロンの場外でも急性期のショック期には弛緩性麻痺を呈していることもあります。ただ脊髄横断性症候群や暴行直腸障害もあるので、そこを頼りに診断は容易になされています。

四肢麻痺

上下肢が両側性に運動麻痺を呈している状態をいいます。

高齢者では脳血管障害を反復して発症し、両側の大脳や脳幹、脊髄が侵されると両麻痺を呈します。

また、頚髄の障害や多発性神経炎でもみられます。

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運動麻痺の評価。症状によりブルンストロームテストとMMTを使い分ける

運動麻痺とは前述したように中枢から筋に至る経路のどこかで障害が起きているものをいいます。

簡単にいえば、ぎこちなさと筋力低下が主な症状になります。

運動麻痺を評価する際には大きく分けて質的、量的に評価する方法があります。前者をぎこちなさの評価、後者を筋力低下のための評価といえます。

脳血管障害では、各筋の神経細胞は密集しているために運動がぎこちなくなるのが特徴的です。

そのため、質的評価であるブルンストロームテスト(Brunnstrom  Recovery  Stage  Test:BRS‐T)を用います。

一方、下位ニューロン障害による末梢性の運動麻痺では個別に筋肉を動かすことができるので徒手筋力検査法(Manual  Muscle  Testing:MMT)で評価していきます。

しかし、上位ニューロンでも軽度の障害でぎこちさなどない場合には、MMTで個別筋の筋力を評価していくことも可能です。

まとめ

運動麻痺と一言に言っても原因疾患によって様々な症状がみられます。

評価を行う際には、大まかに上位ニューロン障害なのか下位ニューロン障害なのかを判別することが大切です。

リハビリの方法は様々ありますが、ぎこちなさを改善(運動を滑らかにしていく)していくのか、それとも量的に筋力低下を改善してくのかを精査しながら進めていくことになります。

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