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教育

理学療法士の「参加する価値の高い勉強会」とは?

投稿日:2017年4月26日 更新日:

医療はまだまだわからないことが多くて、理学療法士が行うリハビリは特にこれといった正解はないように思います。

特に若手になると、入職してから早速勉強会に足を運ぶ人も多いと思いますが、僕の経験上必ずしも勉強会に行くことが自分のため、患者さんのためになるとは思えないのです。

 

では、どんな勉強会なら参加する価値は高いのか?

 

リハビリ業界はあちこちで勉強会が行われ、株式会社が主催する勉強会もあれば、院内のこじんまりとした勉強会もあります。

手当たり次第に勉強会に参加してみるのもいいですが、中には1~2万円もする勉強会もあって、それにどれほどの価値があるのか考えなければ、なけなしのお金と貴重な時間を無駄にしてしまいます。

 

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医療はまだまだ発展途上。正直わからないことも多い

身体の構造はまだまだわからないことが多いのが事実であり、理学療法士はそのことをまずは認識しておくべきです。

特に慢性痛の原因は未だにわかっていません。

少し前のことですが、慢性腰痛は脳の背外側前頭前野の萎縮が原因であるなどといわれ話題になりました。

参考記事)

 

そもそも痛みの結果で脳が萎縮しているのであって、萎縮しているから痛みがあるわけではありません。

痛みは主観であるため、例えば1の痛みで気にならない人もいれば、それを痛みと感じる人もいます。

そこを0にしようと痛みの原因を深追いしすぎてドツボにはまり、余計に痛みの訴えを強めてしまうことは臨床上よくあります。

根本の原因は、生活習慣や個人の身体構造の特徴などであり、さまざまな要素が複雑に絡み合って起きていますので解釈が難しくなります。

 

理学療法士は、学生の頃から「〇〇の原因は何?」と質問されることが多く、あたかも必ず答えがあるかのように洗脳されてきましたが、正直にわからないことも多いはずです。

医療はまだまだ発展途上です。

医者は痛み止めを出して痛みを軽減(誤魔化す?)させることがありますが、理学療法士も同じように代償手段や工夫をしながら生活を送れるように指導できる知恵は必要になってきます。

そういった現状がある中で、理学療法士は常に新しい情報を取り入れていくことが必要ですし、古く効果のない文化的治療は改めていくべきです。

勉強会で学んだことを臨床で活かすためには

勉強会に行ったことがある人は思い返してみてほしいのですが、ある勉強会に行って1年後に役に立っている人ってどれくらいいるのでしょうか。

なぜ、せっかく勉強会で学んだことが1年も経つと役に立たなくなるのか?

それは、患者さんに合った方法を適切に選択できていないために、効果がでないから継続できないんですよね。

1年後も勉強会で学んだ知識を活用できている人は、必ず自分で調べて研究を重ねて臨床に落とし込めるレベルに仕上げています。

結局のところ、患者さんには何が必要なのかを臨床から拾い上げ、自分で調べていくことが最も効率の良い勉強なのです。

必要性に応じて勉強会がドンピシャでマッチすることは稀なので、勉強会はあくまでもプラスαとして考えておいたほうが良いでしょう。

講師は、あなたにとって価値ある人なのか?

理学療法士はほんと勉強会が好きですよね。

有名な先生を招いて勉強会を開催することもありますが、高額・有名な先生という基準だけで勉強会を選ぶのは危険です。

臨床の役に立つことも多いのですが、患者さんに合った方法なのかもちゃんと考えなければいけません。

そういった高額・有名な先生のセミナーや勉強会は「高額で知名度がある」ということ自体に価値があるわけです。

明日から目の前の患者さんに活かすことができるかは別問題です。

そういった高額セミナーは何回も行けるものではないので、知識が深まるどころか金欠で参考書すら買えない始末になるので、よく吟味して参加することをお勧めします。

 

勉強会に参加する前には、

・講師がどういった考えなのか

・どんな手技なのか

・効果はどうなのか

などを事前に調べて、それでもお金と時間を割いてでも参加してみたいと思えるなら参加してみても良いかと思います。

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どこにも載ってないオリジナルの勉強会は希少価値が高い

今の時代ネットが普及しているので、基礎知識は調べれば簡単に情報収集できます。

そんな基礎の部分の勉強会はもはや行く必要性はなくなってきています。

しかし、基礎の部分から発展させ、臨床ではどのようにその知識や技術が使われているのかってところがほんとは皆んな知りたいはずです。

こういったこともほとんどネットかオンラインで完結してしまいますが、そこでは伝えきれないことも多分にあり、目の前で話を聞くほうが良い場合もあります。

初回でその判別をするのは難しいですが、2度目以降はその基準をもった上で参加してみると良いかと思います。

どこにも載っていない、オリジナリティ溢れる勉強会には参加する価値はあるかと思います。

関連知識をふんだんに盛り込んだ勉強会も良い

基礎知識だけならネットでも簡単に調べられると書きましたが、基礎知識でも関連知識をふんだんに盛り込んだ勉強会も良いかと思います。

僕は以前、運動学習の勉強会を院内でしましたが、運動学習だけを伝える勉強会では不十分です。

といいますか、僕がもうネットに流してますので、それを参照してもらえれば良いですからね。

なので、運動学習に加えて姿勢制御系筋緊張などの関連知識をふんだんに盛り込んだ勉強会にしてみました。

反響はなかなか良くて、聞いてくれた人も臨床のヒントになったようです。

僕が大事にしているのは基礎知識なのですが、基礎をいくつも集めた網羅性の高い勉強会はかなり需要があります。

基礎知識の寄せ集めなんて誰でもできるのですが、めんどくさくてやらない人が多い中ではその価値は高くなります。

これも初回で判断するのは難しいですが、上記のあなたにとって価値ある人なのか?というのを考えて参加することを決めていくと良いのではないかと思います。

実技は直接指導を受けないとわからないことが多い

勉強会に足を運ぶという行為は昔からある方法です。

ネットや書籍も充実してきている現在では、わざわざ現場に足を運ぶ必要性を考えると、実技があるかは重要なのだと思います。

やはり直接指導されないとわからない実技に関しては、ネットやオンラインでは伝えきれないことが多いです。

実際の効果を自分の身体で体験するということも、その場に身体がないことには感じることはできません。

理学療法士も他職種・異職種の勉強会に参加してみても良いのはないか?

これに関しては必要性があればの話になります。

例えば心肺蘇生の方法を学び、病院での緊急時に備えた知識と技術を取得しておく場合には、救急救命士の勉強会に参加するのも良いかと思います。

そういった医療業界でも、他職種の勉強会に参加することで、臨床の役に立つことはあると思います。

また、先日バリアフリー2017に参加してきたのですが、企業が行う介護・福祉の勉強会に参加することで患者さんに還元できることもあると感じました。

理学療法士はどうしても視野狭窄になりやすく、井の中の蛙状態で内側に閉じこもっていきがちです。もっと視野を広げて他企業の医療やリハビリ関係のことも知っておいたほうが良いでしょう。

あとは、プログラミングに強い理学療法士がもっと増えれば仕事の幅も広がるんじゃないかとも考えられます。

昔からあるような伝統的な評価方法があるかと思いますが、例えばバランス評価などという曖昧になりがちな評価も使いやすいようにアプリや機器を製作する知識があればそれだけ他との差別化になるはずです。

プログラミングの勉強会に関しては個人で出すには高額ですが、そういったところに興味を持つのもありかなと思います。

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