臨床のこと

理学療法士と作業療法士の違いは?現役理学療法士がその違いを教えます

投稿日:2017年3月18日 更新日:

僕は回復期の病院で理学療法士として勤務しているのですが、患者さんやそのご家族の方からよく受ける質問があります。

理学療法士と作業療法士があるんですね?どう違うのですか?

と、聞かれることがとても多いです。

療法士の人なら、これはあるあるですね。

今回は、理学療法士と作業療法士の違いを解説します。

また、これから理学療法士または作業療法士を目指している人にも参考になるかと思います。

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まずは、リハビリテーションとは何かを知っておいてほしい

理学療法士や作業療法士は主に患者さんのリハビリをする仕事なのですが、そもそもリハビリテーションっていったいどういう意味があるのか知っておいてほしいと思います。

リハビリテーションとは

ラテン語でre(再び)+ habilis(適した)という意味があります。

これは、「再び元の状態になること」や「本来あるべき姿に戻る」という意味合いがあります。

リハビリテーションの解釈は幅広く、例えば膝が曲がらない、筋力が弱いといった機能障害を改善するための手段だけでなく、日常生活や職場復帰などを見据えた訓練をも含んでおり、さらには精神の安定を目指すこともあります。

 

WHO(世界保健機関)の定義によると、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいると記載されています。

つまり、目標を達成するための手段にはあらゆる訓練方法を用いることというように解釈することができます。

例えば、目的があればお話をするだけでもリハビリになっています。

リハビリの主役は患者さんです。

患者さんが辛い気持ちを打明けて、また再び前向きな気持ちで生活できるのであれば、お話をするだけでも十分なのです。

リハビリテーションには、医学的、教育的、社会的、職業的に多方面からのアプローチを必要としています。

人が生きていく上で、必要なことは身体機能の向上だけではないということですね。

理学療法士や作業療法士は、主に医学的なリハビリテーション領域に対してアプローチをしていく専門家です。

理学療法士とは

理学療法士は、基本動作を診る専門家のことです。

基本動作とは、寝返り、起き上がり、立位、移動(歩行や階段昇降)のことを指します。

これらの基本動作の改善を図るのが理学療法士の大きな役割であり、また得意分野でもあります。

理学療法士は、医学的な知識を活かして、患者さんの身体または精神状態を評価し、どの時期にどのくらいの回復が見込めるのかを常に考えながらリハビリを提供しています。

時には、身体の回復が見込めない場合もありますので、その場合は福祉用具の提案または援助者への指導などをすることもよくあります。

理学療法とは

身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

— 理学療法士及び作業療法士法 昭和40年6月29日法律第137号 第2条

作業療法士とは

作業療法士は、より日常生活に密着したリハビリを提供していきます。

食事、整容、更衣、排泄、入浴など、まずはこれら最低限の日常生活動作(Activities  of  Daily  Living:ADL)の自立度向上を図ります。

理学療法士と作業療法士は、それぞれで得意分野(専門性)がありますので、役割分担をして、得意とする領域を繋げていくことで患者さんが生活しやすいようにサポートしています。

 

また、手段的日常生活動作(Instrumental  Activity  of  Daily  Living:IADL)の向上も作業療法士の大きな役割です。

IADLとは、買い物や掃除などの家事全般、金銭管理、さらには趣味などもアクティビティも含んでいます。

IADL自体は何が何でも必要なものではなく、家族がそれをサポートしてくれる環境にあるならそれでも良いわけです。その患者さんにとってどれだけ必要なのか、意欲的なのかも重要な視点になります。

もう一つ作業療法士が得意としていることは精神機能についてです。

患者さんはどういう心理状態なのか、どのようなアプローチが必要なのか。作業療法士は精神面からもアプローチできるのが大きな強みでもあります。

作業療法とは

作業を通して健康と幸福な生活の推進にかかわる職業である。作業療法の主目標は,人々が日々の生活の営みに参加できるようにすることである。作業療法士は,こうした成果を達成するために,人々が自らの参加能力の向上をもたらすような事柄に取り組めるようにしたり,参加をよりよく支援するための環境整備を行ったりする。

作業療法の定義(世界作業療法士連盟(WFOT) 2004)

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理学療法や作業療法は誰でもやっていいものです。ただし・・・

理学療法や作業療法は、名称独占であって業務独占ではありません。

どういうことかというと、僕が理学療法士と名乗ってリハビリを提供することは医療行為の対価として診療報酬からお給料が賄われるということになります。

これが、名称独占ということです。

ただし、マッサージや歩行訓練などの理学療法自体は誰がやってもいわけです。診療報酬とは関係ないですよということです。

これが理学療法や作業療法が業務独占ではないという意味です。

しかし、理学療法や作業療法をするにしても、やはりその専門家に指導または助言をもらいながら実施していくのが安全かと思います。

まとめ

僕なりに理学療法士と作業療法士の違いについて解説しました。

もっと簡単にその違いを説明すると、歩行に関して理学療法士が得意なら、作業療法士はトイレの動作が得意といった感じです。

理学療法士が得意とする基本動作自体に目的があるわけではありません。

「歩くために歩く」なんて人はいませんよね。

トイレに行くからその移動手段として歩行をしているわけですよね。

リハビリとは、その人の生活を再構築していくことを意味します。各方面からそれぞれの専門家が得意分野を駆使してアプローチをしているのです。

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