機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)の排便コントロール(排便管理)の項目について詳しく解説します。
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排便コントロールの定義
肛門括約筋を開くべきときに開くこと。
つまり、便を出したいときに出せる、出したくないときに出さないという能力が排便コントロールになります。
※以下の内容も採点に含まれます
●排便コントロールに必要な福祉用具または座薬
※以下の内容は採点に含まれません
●トイレへ近づく → 移動の項目で評価
●トイレへ乗り移る → トイレ移乗の項目で評価
●衣服の上げ下ろし、陰部を拭く → トイレ動作の項目で評価
排便コントロールの採点方法
点 | 介助量 | ||
介助者なし | 7 | 完全自立 | 0% |
6 | 修正自立 | 0% | |
介助者必要 | 5 | 監視・準備 | 0% |
4 | 最小介助 | <25% | |
3 | 中等度介助 | <50% | |
2 | 最大介助 | <75% | |
1 | 全介助 | ≧75% |
排便コントロールのための福祉用具や座薬などは使用せず、また失敗なくしている場合は7点となります。
しかし、座薬を使っていても月2回以下の頻度で使用していれば7点となります。
排便に失敗はないが、時間がかかる、座薬や福祉用具を使用している場合は6点となります。
オムツも福祉用具同様の扱いになります。
また、座薬を使用していても週1回程度使用していれば6点となります。
排便コントロールの5~1点は、「失敗する頻度」と「介助量」で採点する
排便の失敗とは?
失敗する頻度と介助量の両方を採点し、低い方の点数をつけます。
排便コントロールにおける失敗とは、失便したことを指しているのではなく、衣服やベッドなどを汚した後の処理に介助がかかるかを指しています。
たとえ、失便したとしてもその後の処理を自分ですることができれば失敗とはいいません。
排便の介助とは?
座薬の挿入
浣腸
摘便
腹圧援助 など
失敗する頻度で採点する方法
失敗ない → 6・7点
月1回未満 → 5点
週1回未満 → 4点
1日1回未満 → 3点
毎日 → 2点
介助量で採点する方法
●座薬を使用している場合
座薬を使っていない、月2回以下の頻度自分でしている → 7点
週1回程度自分でしている → 6点
週2回以下の頻度で介助 → 5点
隔日または毎日 → 4点
座薬を使用している場合は、4点までしか下がりません。
●自力排便の介助量(摘便・介助)
自分でするほうが多い → 4点
自己=介助 → 3点
介助者でするほうが多い → 2点
毎回介助している → 1点
日中と夜間で点数が違えば低い点数で採点します。