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臨床のこと

理学療法士は患者さんに何を与えられるだろうか。患者さんから何を学ぶのだろう。

投稿日:2016年12月11日 更新日:

先日、退院された患者さんからお礼のお手紙をいただきました。

手紙には、「○○先生(僕)から安心と自信をもらいました。」と書かれていました。

この患者さんからとても多くのことを学ばせてもらったなと思い、この記事を書くことにしました。

 

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3度も痛い思いをした患者さん

少しだけその患者さんのことを紹介します。

※個人情報には留意して記載しています。

 

その患者さんは、転倒により大腿骨頚部骨折を受傷して急性期病院へ搬送されました。

そしてハンソンピンの手術を受けたのですが、その後に受傷機転なく術部を再骨折してしまい、人工股関節全置換術(THA)の再手術を受けることになりました。

 

ですが・・・手術数日後、立ち上がろうとした際に脱臼、整復した数日後にも再び脱臼。

その患者さんは、この3ヵ月あまりで骨折と脱臼で3回も痛い思いをしています。

患者さんは2回目の脱臼のときに「安静にしてても治らないし、動いたら脱臼するし、どうしたらいいの?私の居場所がない。」と言われ、何度も泣いていたそうです。

 

自宅へ退院することは難しいということで、再脱臼のリスクを抱えたまま僕の勤める回復期リハビリ病院へ転院となりました。

初回の僕とのリハビリでその患者さんは涙目になりながら、これまでの経過を教えてくれました。

よっぽど辛かったのでしょうね。

少しずつ自信を取り戻していく患者さん

僕「基本的には、この動き(股関節屈曲・内転・内旋が脱臼肢位)をしたら脱臼するリスクがありますよ。」

僕「じゃあ、うつ伏せになってみましょうか。大丈夫です。両足を真っすぐに伸ばして、手術した膝が内側に入らなければ大丈夫ですよ。」

患者さん「あ、できた。嬉しい!!」

 

日を改めて・・・

僕「今度は、床から物を拾う練習をしてみましょうか。手術した足を深く曲げてはいけませんので、手術した足を後ろに引きます。反対の膝をゆっくり曲げながら腰を下ろしていってみてください。」

患者さん「あ、間違えた。こうですか?あ、できた!!」

リハビリでは、脱臼肢位を気にしながらできる動作を患者さんと一緒に確認していきました。

 

そして、退院前に冒頭で紹介したお手紙をいただいたのです。

理学療法士として僕は、患者さんに何を与えてあげられるだろうか

「○○先生(僕)から安心と自信をもらいました。」

こんな僕でも「安心」「自信」を与えることができたのかぁ・・・

と思って、なんだかとても嬉しく思いました。

 

理学療法士として患者さんに「安心」を与えることができるってとても良いことですよね。

でも中には、リハビリがないと安心できない。

そんな患者さんもいて、生活をしていくのに「自信」を持てない患者さんは多くいます。

 

「退院しても、自分の力でやっていける。」

患者さんにそう思ってもらえたら、僕ら理学療法士も安心しますよね。

 

僕は、治療技術も他の優秀な理学療法士と比べてはっきり言って全然です。

ですが、患者さんに「安心」「自信」を与えることができる理学療法士って素敵だなと思います。

それを患者さんから言葉で言ってもらえたのが何より嬉しかったです。

初期評価で理学療法士はどう判断するのか

初回のリハビリの話に戻るのですが、最初にその患者さんの股関節を触ったときはさすがに緊張しましたね。

関節を動かしたときに「ん~、骨頭の転がりが悪いな~。ていうかグラグラじゃん。」と思いました。

 

レントゲンを見ても、「頚体角少ないよな~、それに臼蓋が浅いな~。そりゃあ脱臼リスクが高いわけだ。」と思いました。

 

初期評価では、通常は股関節を中心に関節可動域検査をするのですが、初回では股関節の角度は測定しませんでした。

といっても、具体的には「90°までの屈曲は確保できている」くらいの測定に留めています。

なぜ股関節の角度を測定しなかったかというと、フルレンジを動かして可動域を把握することよりも、フルレンジを動かしたことで脱臼してしまうデメリットのほうが大きいと考えたからです。

僕ら理学療法士は、学生時代から終末感(エンドフィール)を感じて制限因子を探るのだ。と言われてきました。

実際にはどこまでエンドフィールを感じることができるのでしょうか。

ましてや、初期評価の時点でどこまでそれを感じとることができるのでしょうか。

初期評価で股関節を動かした際に、その患者さんの関節運動の特徴を掴んでいないまま最終域まで動かすことは、僕の技術では脱臼してしまうデメリットのほうが大きいと考えたわけです。

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今までの患者さんとの経験が、目の前の患者さんに活かされる

この3ヵ月あまりで、患者さんはすごく痛い思いと辛い思いをしたことでしょう。

そのような患者さんはなかなかいませんし、僕もこれまでに経験したことがなかったです。

 

僕が新人だったら、この患者さんのリハビリにめちゃめちゃビビってたでしょうね。

でも、僕はもう理学療法士を7年やってます。

やはり、その辺は経験でカバーできてます。

 

よーく考えてみると、その患者さんに「安心」「自信」を与えることができたのも、この7年でいろんな患者さんとの経験があったからなんです。

僕の7年の経験が目の前の患者さんに活かされたように、目の前の患者さんに教えてもらった経験がまた他の患者さんに活かすときがくるかもしれません。

理学療法士は、そうして日々患者さんから学んでいるのです。

まとめ

とても印象深い患者さんでしたので、退院までの経緯を紹介させていただきました。

実は初めにハンソンピンをした後は、自宅に退院していたのですが、痛みがいつまで経っても治らなかったそうです。

それでレントゲンを撮ってみると、骨折していたことが判明したそうです。

骨折してるんだから、そりゃー痛いわけですよね。

その頃、何とか杖で歩けるくらいでしたが、患者さんはこのまま歩けなくなるんじゃないかと不安になったそうです。

その後に2回の脱臼を経験しましたが、退院時には杖なしでも歩けるくらいに回復していました。

 

患者さんは「今となってはいい思い出です。先生に会えて良かった。」と言ってくれました。

僕もこの患者さんに出会えて本当に良かったです。

 

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