リハ職の働き方ブログ▼

リハ職の働き方ブログ▼

※アフィリエイト広告を利用しています

理学療法

脊椎圧迫骨折後の入院生活とリハビリの進め方

投稿日:2016年12月3日 更新日:

脊椎圧迫骨折後の入院生活とリハビリの進め方について解説します。

脊椎(背骨)の用語がわからない人は、こちら↓で図を用いてわかりやすく解説しています。

 

スポンサーリンク




脊椎圧迫骨折で入院したら「2つのこと」に気をつける

脊椎圧迫骨折は骨癒合が上手く進めばほとんど元の生活に戻ることができます。

骨癒合を進めていくには、まずは安静にするのが一番です。

しかし、脊椎圧迫骨折を受傷する人の多くは高齢者であり、安静にしすぎることで廃用症候群を呈することがあります。

参考記事)

廃用症候群とは?理学療法士が考える予防とリハビリの進め方

 

「安静」「廃用症候群の予防」

この2つのバランスを考えながら、リハビリしていくのが脊椎圧迫骨折のポイントになります。

脊椎圧迫骨折直後はベッド上安静となる

骨折をして1〜2週間は骨折部分が不安定ですので、安静にすることで骨が癒合するのを待ちます。

骨折直後は、寝返りも打てないくらい痛みが強くありますので、ほとんどベッド上で過ごすことになります。

食事は、可能ならベッドの背上げ(30~60°くらい)と足上げの部分を上げて食事を取ります。
痛みが強い場合は、寝たまま横向きで食事をすることもあります。

排泄は、安楽尿器を使ったり、排便や女性の排泄時には差し込み式便器を使います。

尿器

幸和製作所 テイコブ 半透明尿器(男性用) UR01G

 

差し込み式便器

アロン化成 差し込み便器(専用カバー付) 25X39X10.5CM

 

オムツ内での排泄は、尿路感染症や排泄障害を助長することがあるので極力避けるべきです。

脊椎圧迫骨折で用いられるコルセット

急性期の場合には、その後の生活動作やリハビリに備えてコルセットを作成します。

脊椎圧迫骨折では大きく分けると軟性コルセット硬性コルセットの2つがよく用いられています。

軟性コルセット

引用)株式会社 澤村義肢製作所

脊椎圧骨折の保存療法でよく用いられるのが、軟性コルセット(ダーメンコルセット)です。

胸腰椎を適度に固定し、動きを制限します。

硬性コルセット

引用)株式会社 P.O.イノベーション

プラスチック素材でできており、軟性コルセットよりも硬いといった印象を受けるかと思います。

かなり硬いので体幹の動きを制限してくれます。

圧迫骨折直後で骨折部が不安定な場合や手術後に装着していることが多いです。

脊椎圧迫骨折の急性期はベッドから離れることから始める

脊椎圧迫骨折では、2週間ほど安静にした後でリハビリが始まります。

2週間ほどではまだまだ痛みが強く、まずはベッドから離れるところを目指します。

脊椎圧迫骨折で最もしんどい動作が起き上がりです。歩いているほうが楽なくらいです。

起き上がる際には、初めはベッドの背上げを使って起き上がるのが良いでしょう。

立ち上がるのも痛みはありますが、起き上がるときほどではないので、そのまま車椅子に座り、トイレや食事に行くことから始めます。

 

車椅子に座るだけでも、起立性低血圧や褥瘡(床ずれ)などの廃用症候群の予防になります。

歩くことが可能であれば、歩行車を使って移動すると回復も早くなります。

 

歩行車

【非課税】星光医療器製作所 歩行補助器 (アルコー3型) 3M型

 

上記のように車椅子や歩行車を使って入院生活が送れるようになれば、今度は元の生活に戻るところを目指します。

リハビリのポイント①「骨癒合を待ちつつ、運動療法を取り入れる」

痛みがマシになってくるのが、骨折後約1ヵ月以降です。

通常、Drを始め専門職がレントゲンで骨折の程度を確認したり、患部や血液検査から炎症所見を確認しています。

参考記事)

骨折後にみられる炎症反応とは?血液検査で見るべきポイントは?

 

リハビリでは、骨折部や痛みの程度に合わせて運動療法の負荷量を設定します。

もし、骨性の痛みがある場合には何かのリハビリをガンガンにしたからといっても痛みは治りません。むしろ、悪化する恐れもあります。

ですので、患部は安静にして骨がくっつくのを待ちつつ、患部以外の筋力が衰えないように運動していきます。

スポンサーリンク



リハビリのポイント②「慢性腰痛への移行を防ぐ」

骨折部が安定していれば、落ちてしまった筋力を取り戻していくだけです。

ただし、ここで痛みを我慢して過負荷な運動療法を取り入れると、かえって痛みが長引くこともあります。

一般的によく見られる上体起こしや背筋運動は骨運動を伴うのに加えて、アウターマッスルを鍛えているので脊椎の骨同士の安定性を上げるのには向いていません。

多裂筋を鍛える

慢性腰痛では、多裂筋の萎縮を認めるとの報告があり、慢性腰痛への移行を防ぐ重要な筋肉といえます。

多裂筋は骨同士を安定させる働きがあり、第3腰椎以下で筋断面積が増加し、腰椎の固定に大きく関与しています。

多裂筋の効果的な運動

四つ這いで、一側の手と反対の足を上げてる

10秒ほど保持します。

 

 

お尻上げ

10回ほど、痛みのない範囲でゆっくりとします。

腰痛を抱えていると辛い運動ですが、多裂筋を鍛えるには効果的な運動でもあります。

※注意:痛みが強い場合には控えておいたほうが良いです。

骨癒合が進めばコルセットはつけないほうが良いの?

「コルセットをずっとつけていると、腰周りの筋肉が衰えて逆に痛くなる。」

病院にいると、このように言われることが多いかもしれませんが、諸説あり実際には不明確です。

コルセット着用による腰痛予防に関しては、腰痛診療ガイドラインでも機能改善(いわゆる骨折部の保護)には効果的だが、慢性腰痛には効果は認めていないと記載されています。

しかし慢性腰痛であっても、それが辛くて日常生活がままならない場合にはコルセットを着けるのもありだとは思います。

医療用のコルセットは体幹の動きを制限する作りになっていますので、動きにくいのは確かです。

慢性腰痛であればマックスベルトでも良い!

 

マックスベルトは骨の動きを止めるほどの強度はなく、筋肉の動きをサポートしています。

なので、慢性腰痛には効果的です。

慢性腰痛は、安静にするほど悪化するとの統計データもあります。

ですので、痛みを抑えつつ日常生活を無理なく過ごしているほうが確実に良くなっていきます。

経過をみて、腰の痛みが気にならなくなってくれば、マックスベルトを外して生活すると良いでしょう。

 

関連記事)

脊椎圧迫骨折の原因と治療。コルセットの着用期間や注意したい動きは?

リハ職の働き方ブログ▼

リハ職の働き方ブログ▼

一緒に読まれている記事


-理学療法
-, , ,

Copyright© かずぼーのリハビリ大全 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.