理学療法 痛み

首の痛みや肩こりの原因になる鎖骨下筋と小胸筋とは?

投稿日:2016年10月28日 更新日:

統計では、肩こりは女性の身体症状の第1位、男性では2位で腰痛の次に多く、言わば国民病ともなっています。

 

皆さんも、1度は首の痛みや肩こりを経験したことがあるのではないでしょうか?

 

そういう僕自身もよく肩が凝ります。ひどい場合には、首に痛みがある場合もあり、定期的なケアを要しています。

今回は、肩こりの原因ともなる2つの筋肉、鎖骨下筋小胸筋について解説します。

これら2つの筋肉は肩甲骨と鎖骨の動きに関与する重要な筋肉でもあります。

 

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首の痛みや肩こりの原因は?

首の痛みや肩こりの原因には、①神経の圧迫、②血管の圧迫、③血流障害による発痛物質の貯留などがあります。

首から肩甲骨にかけての背面には、肩甲背神経や肩甲背動脈などがあります。

首や背中の筋肉が硬くなることで神経や血管が圧迫され、また毛細血管の循環不全により首の痛みや肩こりが起こります。

※後面から見た図

 

不良姿勢により僧帽筋など大きな筋肉も伸長され、血流障害により痛みを生じます。

※後面から見た図

首の痛みや肩こりの姿勢

下の写真のように、首や肩が前に出た姿勢は、背面にある筋肉が常に緊張することになります。

すると、神経や血管の圧迫、血流障害が生じ痛みを引き起こします。

首や肩周りをマッサージするだけでは治らない

よく僧帽筋の辺りが痛いからといって、その部位をマッサージするかと思います。

マッサージすると、実際気持ちが良いのですが、実は僧帽筋をマッサージするだけでは、本当の解決にはなっていないのです。

本当の原因に対してアプローチをしないと、しばらくするとまた肩が凝ってきます。

首の痛みや肩こりの原因は前面の筋肉にある

日常生活においては、肩や胸など前面の筋肉を使用することが多く、前面の筋肉を酷使してます。

特に以下のような生活習慣のある人は、前面の筋肉を酷使しています。

・パソコンなどのデスクワーク中心の仕事

・よく本を読む

・よくスマホをいじっている

 

このように、日頃から前面の筋肉を使う頻度が高いほど、後面の筋肉が引き伸ばされ、常に緊張状態になってしまいます。

これが、首から肩にかけての痛みや重だるさの原因になるのです。

前面にある筋肉として、首の痛みや肩こりの原因となってる筋肉は2つ考えられ、それが鎖骨下筋小胸筋です。

鎖骨下筋と小胸筋とは

※右前方から見た図

鎖骨下筋

鎖骨下筋は小さな筋肉ですが、広範囲の痛みに関係している筋肉です。

起始:第1肋軟骨

停止:鎖骨外側の下面

神経支配:鎖骨下筋神経(C5~6)

作用:鎖骨を固定、または第1肋骨を引き上げます。

収縮すれば肩を前下方に引っ張ります。

胸鎖関節を安定させ、鎖骨を介して肩甲骨の動きをスムーズにしています。

小胸筋

小胸筋は大胸筋の深部にあります。

起始:第3~5肋骨

停止:烏口突起

神経支配:胸筋神経(C6~8)

作用:肩甲骨を下制、または肋骨を引き上げ呼吸(吸気)の補助筋としても働きます。

 

鎖骨下筋と小胸筋の作用を簡単にまとめると・・・

鎖骨と肩甲骨を前下方に引っ張る働きがあります。

小胸筋症候群(過外転症候群)とは

小胸筋の下を腕神経叢や鎖骨下動脈が通過しています。

小胸筋が硬くなることで、神経や血管が絞扼され、麻痺やしびれが生じることを小胸筋症候群といいます。

また、肩を外転させたときに、肩甲骨の上方回旋により、小胸筋が緊張され症状が強まることから過外転症候群ともいいます。

肩甲骨と鎖骨の解剖学とその動き

下の図のように胸骨と鎖骨で繋がれた関節を胸鎖関節、肩甲骨と鎖骨で繋がれた関節を肩鎖関節といいます。

※右前方から見た図

胸鎖関節や肩鎖関節の動きはとても重要であり、腕を上げる動作に貢献しています。

 

下の表は肩の外転動作時の胸鎖関節と肩鎖関節の可動域です。

外転運動 胸鎖関節 肩鎖関節
0~90° 25°挙上 5°上方回旋
90~180° 5°挙上・35°鎖骨が後方回旋 25°上方回旋

外転運動初期には胸鎖関節が働き、90°以降は肩鎖関節の貢献度が高くなります。

180°フルまでに胸鎖関節は30°挙上と35°鎖骨が後方回旋します。肩鎖関節は30°上方回旋します。

肩甲骨と肋骨で作られる肩甲胸郭関節も60°上方回旋しています。

実は、肩甲上腕関節の外転は120°までしかありません。

 

鎖骨下筋や小胸筋が硬くなると・・・

鎖骨と肩甲骨の後上方への動きを阻害してしまいます。

つまり、腕を上げた際に胸鎖関節や肩鎖関節の動きを阻害するということです。

すると、肩周りや腕を酷使することになり痛みの原因にもなります。

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鎖骨下筋と小胸筋の触診とほぐし方

仰向けで行うほうが余計な筋肉の緊張を抑制できるので、鎖骨下筋や小胸筋の触診はしやすくなります。

鎖骨下筋の触診とほぐし方

鎖骨下筋の触診は難しいのですが、鎖骨外側に指をあてると鎖骨下筋を触診できます。

鎖骨下縁を指でなぞるようにまんべんなくマッサージをしていきます。

小胸筋の触診とほぐし方

鎖骨外側の下に烏口突起という骨の出っ張りがあるので、まずはそれを見つけます。

烏口突起を触ることができれば、そこから1〜2指ほど内側下に指をずらすと小胸筋があります。

 

もし、小胸筋が凝りかまっていれば、指で押してみてください。かなりの痛みがあるはずです。

あまり強くマッサージすると後で痛くなるかもしれませんので、気持ちの良い程度のマッサージをすると良いでしょう。

鎖骨下筋と小胸筋をまとめてストレッチする方法

上の写真のように、身体の後ろで腕を組みます。

手のひらは上に向けておくと良いです。

その状態で、肩を後ろに引き胸を張ります。次に、組んだ手を下方向に引き下げます。

すると、鎖骨前あたりが良く伸びる感触があるはずです。

肩こり解消のおすすめグッズ

女性用の肩こり解消のインナーです。日常の姿勢を矯正しておくことで、肩こりを予防できます。

 

こちらは男女兼用の肩こり解消のインナーです。

 

マルチチューブはおすすめ

マルチチューブは、ゴムみたいに伸び縮みするので筋トレにも活用できますが、下の写真のように姿勢矯正にも活用できます。

 

まとめ

首の痛みや肩の痛みは、実際この2つの筋肉だけがすべての原因というわけではありません。

他にも原因はあるのですが、今回紹介した姿勢になっている人は鎖骨下筋や小胸筋をほぐしてみると痛みが軽減するかもしれません。

今回ご紹介した方法で、まずは原因となっている筋肉をほぐし、肩甲骨と鎖骨の動きを正常化させます。

また、おすすめしたグッズを活用して、日頃のちょっとした意識で首の痛みや肩凝りは解消されますので、是非実践してみてください。

 

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