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糖尿病と転倒の関係性について

糖尿病と転倒の関係性について

糖尿病は日本人の約950万人、糖尿病予備軍で約1,100万人(2013年)と推計されています。

糖尿病は、食の欧米化や運動不足により、近年その羅患率は増加傾向にあります。

糖尿病は、脳卒中や心筋梗塞、認知症、癌などの発症リスクが高まることが報告されています。

また、低血糖や糖尿病による合併症により、転倒するリスクも高まります。

今回、糖尿病と転倒の関係性についてご紹介します。

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糖尿病とは

糖尿病は、膵臓から出るインスリンの分泌が不足するⅠ型糖尿病とインスリンの感受性が低下するⅡ型糖尿病があります。

日本人はⅡ型糖尿病が多く(約95%)、遺伝因子に加え、過食や運動不足、肥満などの環境因子が加わり発症すると考えられています。

Ⅰ型糖尿病では、インスリン治療が必須であり、Ⅱ型糖尿病は食事・運動・薬物治療がメインになります。

血糖値

正常であれば、空腹時、食事摂取後に関わらず80~120mg/dlと比較的狭い範囲で維持されています。

診断基準として、空腹時血糖値126mg/dl以上、75g経口ブドウ糖試験2時間値200mg/dl以上で糖尿病と判断されます。

HbA1c

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、赤血球内のヘモグロビンと糖の結合度を表しています。

赤血球の寿命は約120日あり、寿命がくれば脾臓や肝臓で回収される仕組みになっています。

まだ回収しきれていない赤血球が残っていることから、HbA1cは直近1~2ヵ月の糖の値を示しています。

仮に検査直前に食事制限をして血糖値が下がっていたとしても、HbA1cが高値を示していれば、ここ1~2ヵ月の血糖コントロールは良くないという判断になります。

目的に応じてHbA1cのコントロール値を決定する

HbA1cの正常値は4.3~5.8です。

血糖の正常化を目指す 6.0未満
合併症予防のため 6.9未満
低血糖などの副作用がみられる場合 8.0未満

血糖値が良好なほど細小血管障害や大血管障害の発症・進展のリスクが軽減すると報告されており、合併症の予防にはHbA1c6.9未満、食後2時間血糖値180mg/dl未満が推奨されています。

ただし、低血糖症状を有している場合は、意識消失により転倒に到るケースもあります。

そのため、低血糖症状がみられる場合はHbA1c8.0未満が推奨されています。

合併症や低血糖と転倒の関係性

糖尿病がない人に比べて、糖尿病の人では1.5~3倍転倒しやすいと報告されています。

糖尿病は細小血管障害による3大合併症として網膜症、腎症、神経障害があります。

また、大血管障害として動脈硬化を基盤とした脳卒中や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、さらには足病変により切断に到るケースもあります。

3大合併症の中でも網膜症や神経障害は転倒の危険因子になります。

網膜症による視力低下や足底の感覚異常はバランス能力を低下させます。

また、血糖コントロールが不良の場合は、低血糖による意識消失も転倒の危険因子になります。

低血糖症状を有する場合は、ブドウ糖または砂糖10~20g、糖質を含むジュースなどを常備し、速やかに摂取できるようにしておくことが大切です。

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有酸素運動とレジスタンス運動の併用が推奨されている

Ⅰ型糖尿病に対しては、食事コントロールや薬物治療は大切ですがⅡ型糖尿に対しては特に運動療法の効果が高く評価されています。

日本理学療法協会ガイドラインにおいても、Ⅱ型糖尿病への運動療法はグレードA(行うように強く勧められている)とされています。

有酸素運動の効果として、インスリンの抵抗性改善、脂質代謝の改善、血圧低下、心肺機能の低下、肥満の改善などが挙げられます。

また、筋収縮自体に独立した糖の取り込みを促進する作用を有することが明らかになっており、レジスタンス運動も効果を発揮します。

ガイドラインでも、有酸素運動とレジスタンス運動の両方行うことで、HbA1c低下の有効性が高まるとして推奨されています。

食事直後は、糖の取り込みが激しく1時間くらいでピークになるため、食後1時間くらいを目途に運動を開始すると良いです。

有酸素運動

運動強度としては、最大酸素摂取量の40~60%、自覚的運動強度としては「楽である」「ややきつい」と感じる程度、目標心拍数は最大心拍数の50~70%とされています。

※目標心拍数の算出方法(カルボーネン法)

目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数

運動時間は、20~60分、週3~5日が推奨されています。

運動内容に関しては、上記の基準を満たしていれば効果がありますので、エアロバイクや歩行など日常生活で取り入れやすいものを選択すると良いです。

 

レジスタンス運動

レジスタンス運動とは、個々の筋肉を鍛えるのではなく、全身の筋肉を協調的に鍛える運動のことをいいます。

運動強度としては、スクワットや踵上げなど10~15回を数セット、週2~3日行うことが推奨されています。

虚血性心疾患を合併する場合には、高負荷のレジスタンス運動はリスクを伴いますので、バイタルサイン(血圧・脈拍・心拍数・SpO2・呼吸数など)や疲労度から負荷量を設定することが望ましいです。

糖尿病による足のトラブル

足病変は、感覚障害や自律神経障害、血流障害による動脈硬化、感染症(白癬、細菌)に加え、外傷や靴擦れ、熱傷などが原因として挙げられます。

糖尿病の場合、感覚障害があるとなかなか足のトラブルに気付きにくく、また怪我をしても止血されないことがありますので注意してください。

感染し壊死すると、最悪の場合切断することもありますので、なかなか傷が治らない場合は早めに医療機関にかかり適切な処置を受けることが望ましいです。

温泉足浴が転倒予防になる

足浴の効果として、循環動態の改善、自律神経の調節、感覚閾値の低下(感覚がわかりやすくなる)が挙げられ、足浴は糖尿病による感覚障害にも効果があります。

足浴直後にバランス訓練を併用することで、よりバランス能力や歩行能力が向上したとの報告があります。

40~42℃のお湯に10分くらいの足浴を週2回以上すると効果が得られます。

患者教育と生活習慣の改善が必要

重度の糖尿病の人には共通する気質がみられます。

楽観的で病気をあまり真剣に考えていないような人が多いです。

そういった人は自己解釈も強く、本人は治療しているつもりでも、どこかズボラをしていて全然数値が良くなっていないケースを多く経験します。

定期的な診察や観察、場合によっては家族指導などを行い、周りが支援することも大切です。

まとめ

糖尿病の基礎知識にも少し触れ、転倒との関係性を説明しました。

糖尿病は、知らず知らずに重症化するケースもあり、重大な病気の引き金にもなりますので、生活習慣には気をつけたいところです。

 

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