何か身体がだるくて身体がスッキリしない場合は貧血の可能性があります。
貧血は、何か身体がだるいなぁっていうくらいの自覚症状しかない場合もあれば、全く自覚症状がなく血液検査などで貧血を指摘されることもあります。
「貧血」は、病気を指しているわけではなく、病態を示す用語です。
今回は、貧血の基礎知識と食事を中心に改善方法をご紹介します。
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貧血とは
貧血という診断名があるわけでなく、あくまで病態を表しているにすぎません。
どういう病態かというと、酸素が上手く全身に運搬されず以下の様々な症状がみられる状態を貧血といいます。
症状
顔面蒼白、立ちくらみ、息切れ、動悸、倦怠感などの症状がみられます。
爪の色調でも判別でき、通常はピンク色をしていますが、白っぱくなっている場合は貧血の徴候があります。
貧血に慣れてしまうと無症状の場合があり、全身に十分量酸素がいかないことがあります。
その代償として、血圧や心拍数の上昇、呼吸数の増加がみられるようになります。
酸素を運ぶものは?
酸素を全身に運ぶものとして、血液内の赤血球とヘモグロビンがその役割を担います。
赤血球とヘモグロビン
赤血球は血液の体積の約半分を占め、骨髄で毎日作られています。
赤血球の寿命は約120日であり、寿命がくると脾臓や肝臓で回収されるため、造血と回収のバランスが保たれています。
赤血球の中には、鉄成分を多く含みタンパク質からなるヘモグロビンが充満しており、ヘモグロビンが酸素と結合することで全身にくまなく酸素が行き届く仕組みになっています。(下図参照)
引用)ピンからキリまで
血液検査から貧血を判断
概ね以下に3つの血液検査の値を参考にしておくと良いでしょう。
基準値 | 単位 | 男性 | 女性 |
赤血球数(RBC) | 104/μl | 410~530 | 380~480 |
ヘモグロビン濃度(Hb) | g/dl | 13.5~17.0 | 11.5~15.0 |
ヘマトクリット(Ht) | % | 37~48 | 32~42 |
※ヘマトクリットとは、血液中の血球の体積を表しており、血液中にどれだけ赤血球があるかを表しています。
貧血かを判断する上で見ておきたいのが、ヘモグロビン濃度(Hb)の値です。
赤血球の数が正常でも、ヘモグロビンの数が減少していることもあるの注意が必要です。
貧血の原因
赤血球の数が減少、もしくは赤血球が小さくなる場合やヘモグロビンの数が減少することが原因になります。
つまりは赤血球の破壊・喪失が亢進した場合や赤血球の生産量が低下した場合、ヘモグロビン量が少なくなるなどで酸素運搬ができなくなると貧血の症状がみられるようになります。
腎臓の機能低下
腎臓からエリスロポエチンが分泌されることで、骨髄から赤血球をつくる指令がいきます。
つまり、腎臓の機能が低下していると赤血球をつくる指令がいかなくなり貧血になります。
このことを「腎性貧血」といいます。
赤血球の破壊・喪失、生産量の減少
細菌感染やアレルギー、ときに激しいスポーツの際足の裏で赤血球を多く踏み潰すことでも赤血球が破壊・喪失します。
このことを「溶血性貧血」といいます。
また、何らかの原因で骨髄の造血機能が低下するために赤血球の数が減少するものもあり、このことを「再生不良性貧血」といいます。
ストレスが原因
ストレスに打ち勝つために必要なホルモンが、副腎から分泌されるコルチゾールです。
慢性疲労の原因は副腎疲労かも?
副腎には多くのビタミンCが蓄えられており、ストレスがかかることで多くのビタミンCを消費します。
ビタミンCは、鉄と結合し体内に吸収しやすくなる働きがあるため、ストレスが原因で貧血になる場合もあります。
たばこが原因
たばこに含まれる一酸化炭素は、ヘモグロビンと結合しやすく酸素運搬を阻害してしまいます。
たばこを吸うことで多くのビタミンCを消費してしまうことも貧血の原因になります。
鉄分が不足
過度なダイエットによる栄養不足や女性の月経・分娩などによる出血が原因で貧血になる場合があります。
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貧血に対する食事
鉄分
鉄分には吸収しやすいヘム鉄と吸収しにくい非ヘム鉄があります。
非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が高めてくれます。
ヘム鉄を多く含む食材
レバーやたまご、肉、魚など
非ヘム鉄を多く含む食事
野菜、貝類、豆類、緑茶など
タンパク質
肉、魚、たまご、豆類など
ビタミンC
ゆず、レモン、柿、パセリなど
生活習慣の見直しも必要
貧血は腎臓など何らかの病気が原因の場合もありますので、原疾患の治療は必要です。
生活習慣として、貧血はたばこやストレスが要因になっていることもありますので、生活習慣の見直しも必要です。
また、動けるようなら適度な運動や身体を温めることで血液の流れを良くし、酸素を行き届かせることも大切です。
まとめ
貧血の基礎知識と改善方法をお伝えしました。
ちなみに、低血圧と貧血は症状は似ていますが、病態は少し違っています。
起立性低血圧について詳しい解説
貧血の場合は、無自覚の場合もありますが、なんかずっとしんどいな~ってときもあります。
貧血が改善されれば、今ままでにないスッキリ感が生まれます。