僕は職場で中堅の立ち場にいるため、後輩指導や実習生を任されることが増えてきました。
今回は、医療従事者だけでなく、中堅にあたる社会人にも役立つ内容をお伝えします。
ここでは、教育する人を「指導者」、教育される人を「後輩」または「実習生」として説明しています。
また、リハビリにおけるコーチングについても解説していきます。
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ティーチングとは
指導者と後輩の関係性は、上下の関係です。
指導者が得ている知識やノウハウをそのまま後輩に教えるというやり方です。
日本の学校の場合、授業ではこの方法とるのが一般的です。
指導内容や指導ペースは後輩個々で変わる訳ではなく、カリキュラム通りに進む形になります。
コミュニケーションが一方通行になりやすいので、後輩はやらされているといったネガティヴな感情に陥りやすいです。
また、答えを教えてくれるのではと後輩が期待し、依存してしまうかもしれません。
コーチングとは
指導者と後輩の関係性は、対等・双方性です。
後輩が持っている可能性やアイディア、自発性を指導者が引き出すというやり方です。
コーチングでは、その人個人に合わせた目標や行動計画を指導者と一緒に考え、支援していくのがポイントです。
人それぞれ物事に取り組む意欲や行動力は異なります。
後輩の「もっとやりたい」といった自発性を刺激し、行動する意欲を引き出すことを目指します。
指導者がとるべき態度は?
以前から理学療法士や作業療法士の実習生の質は変わってきていると言われています。
ゆとり世代なんてことも前々から言われていますね。
僕はゆとり世代の調度境目で、やや昔寄りの世代です。なので、どちらの気持ちも何となく理解できます。
実習生の質が変わってきているなら、指導方法も変えていかないと昔の方法では今の実習生に合っていない可能性もあります。
指導する際、ティーチングとコーチングを綺麗に分けてしまう必要はないと思いますが、指導者がとるべき態度はコーチングであるほうが良いです。
なぜなら、人が行動するために必要な最低条件は意欲だからです。
「もっとこうなりたい」「この人のようになりたい」などの意欲が自発的に出れば、後は勝手に行動しますし、勝手に育っていきます。
知識を補充したり、ノウハウを伝えるティーチングは、目標や行動計画を援助するための一つの手段として活用されるべきです。
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リハビリにおけるコーチングとは?
コーチングは、後輩指導だけでなく患者さんへのリハビリにも活用できます。
理学療法士は、患者さんに動作の方法を教えることが多いので、おのずと療法士が指導者、患者さんが教えられる側となります。
リハビル場面では、患者さんの動作能力によってそれぞれ目指す目標があるかと思います。
すべての患者さんに共通することですが、リハビリにおける最終的ゴールは患者さん本人が自分の身体をコントロールできることです。
セルフコーチングという言い方をしますが、調子が悪くなったら自分でトレーニングをしたり、療法士に教えられたマッサージやストレッチを自らでしてもらいます。
ティーチングのみの指導では、指導者がいなくなる(つまり、リハビリが終了する)と、身体機能を維持するのが難しくなります。
リハビリにおいても、やはりコーチングのスタンスは必須であるといえます。
おすすめ書籍
僕が後輩指導をする際、参考にしている書籍です。
指導方法など、とてもわかりやすく書かれている良書です。
後輩指導に困っている人は参考にしたい一冊です。
まとめ
理学療法士をやっていると、患者さんに歩き方や生活のしやすさなどを教えることが多く、おのずと教える人、教えられる人という構図ができてしまいます。
後輩や実習生を育てることは、患者さんを良い方向に導くことと似ています。
誰かを教えることは、自分自身の成長にもつながりますし、患者さんに活かすことにもつながります。
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