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膝の内側側副靭帯(MCL)損傷の原因とは?治療や効果的なリハビリ、サポーターをご紹介

投稿日:2016年5月26日 更新日:

膝の内側側副靭帯(medial collateral ligament:MCL)の損傷は、前十字靭帯損傷と同様、スポーツ外傷において発生頻度の高い怪我の一つです。

バスケ、サッカー、ラグビー、バレーボール、格闘技などに多くみられます。

 

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膝の内側側副靭帯とは

構造

※前内側より観察

 

浅層と深層に分かれており、大腿骨内側上顆から脛骨に到ります。

浅層

大腿骨内側上顆から脛骨内側面後方に付着します。

深層

後斜靭帯と呼ばれる内側関節包後部や内側関節包靭帯からなり、内側半月板と結合しています。

役割

膝関節45°の以下の伸展100°以上の屈曲で強く緊張します。

膝関節外反や下腿の外旋を制動しています。

MCLの損傷原因

膝関節に対して外反ストレスや下腿の外旋が生じた場合に受傷しやすいです。

引用)1

外反ストレステストとグレードの判定基準

内側側副靭帯の損傷は、グレードⅠ~Ⅲで判定されます。

膝関節伸展位と30°屈曲位で、外反ストレス(内側側副靭帯を伸長)を加えたときの膝関節の動揺でグレードが判定されます。

グレードⅠ 外反動揺は認めないが、MCL付近に圧痛がある
グレードⅡ MCLに圧痛がある。伸展位では外反動揺はみられないが、30°屈曲位で外反動揺を認める
グレードⅢ 膝伸展位で外反動揺を認め、30°屈曲位でさらに外反動揺が増す

内側側副靭帯の治療

内側側副靭帯単独の場合は、一般的に保存療法が選択され、予後は比較的良好とされています。

手術する場合としては、グレードⅢの完全断裂もしくは前十字靭帯損傷を伴う場合などですが、保存か手術が良いかは意見が分かれるところです。

そのため、グレードⅢの場合でも、保存療法を行う場合があります。

内側側副靭帯損傷の治癒時期

グレードⅠ~Ⅱの軽度の損傷の場合は、約2週間で完治します。

グレードⅢの場合は、2~3ヵ月かかることもあります。

急性期(1~2週間)

炎症症状(腫脹・熱感・発赤・疼痛)がある場合は、15分程度のアイシングを行います。

RICE処置の詳しい解説)

 

グレードⅠ~Ⅱの場合は、装具装着下で部分荷重から全荷重へと可及的に進めていきます。

再損傷予防のサポーターはこちら!

サポーターを装着することで、膝の捻じれや外反ストレスを回避し再損傷の予防になります。

亜急性期(2~4週間)

膝外反不安定性に対して、内側広筋内側ハムストリングス中心に筋力増強訓練を行います。

※注意:痛みが軽減してから行ってください。

内側広筋

大腿四頭筋の一つであり、大腿骨の内側に位置しています。

起始は大腿骨の転子間線および粗線内側唇

停止は膝蓋靭帯となり脛骨粗面

内側広筋は、膝関節最終伸展位で活躍する筋肉でもあります。

 

下の図のように、下腿を内旋位にした状態で膝関節を伸展させます。

引用)1

内側ハムストリングス

内側ハムストリングスは、半腱様筋と半膜様筋に分けられます。

半腱様筋・半膜様筋ともに、起始は坐骨結節にあります。

半腱様筋の停止は鷲足腱となり脛骨内側面

半膜様筋の停止は脛骨内側顆後面

内側ハムストリングスは、膝関節の外反、下腿の内旋を制動する内側支持機構として重要な役割があります。

 

下の図のように、下腿を内旋位にした状態で膝関節を屈曲させます。

引用)1

スポーツ動作開始時(1~3ヵ月)

荷重をかけても疼痛がなくなり、膝の不安定感が軽減すればスクワットや不安定版を使用したバランス訓練を行います。

スポーツ復帰時期(2~3ヵ月)

疼痛や膝不安定感、膝関節周囲の筋力回復を目安に、ジョギングや各競技に合わせたフットワークから開始します。

2~3ヵ月を目標に競技復帰とします。

NBAのスーパースターも内側側副靭帯損傷から復帰

2016年4月24日現地アメリカのヒューストンでに行われたウォリアーズ対ロケッツの試合で、NBAのスーパースターのステフィン・カリーが右膝内側側副靭帯を損傷しました。

相手選手が転倒したことで床に汗が散り、カリーが足を滑らせ床に右膝内側を強打したことで受傷してしまいました。

引用)http://nbareporter.net/2016/04/25/カリー-右膝を捻挫/

彼の場合、怪我のグレードはⅠであり、15日後の5月9日に無事復帰を果たしています。ちなみに復帰した試合でカリーは40点を決める大活躍をしました。

まとめ

膝の内側側副靭帯は、比較的予後が良い怪我ではありますが、前十字靭帯損傷や内側半月板損傷も伴い重傷に至る場合もあります。

スポーツをするにあたって、100%怪我を防ぐことは不可能ですが、予防や早期復帰に向けての知識の補充は必要ではないかと思います。

 

引用画像

1)細田多穂・柳澤健:理学療法ハンドブック第3版 疾患別・理学療法基本プログラムp354-355.2010.2

 

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